オリンピック 空手 男子形 喜友名諒が金メダル

東京オリンピックの新競技、空手の男子形で喜友名諒選手が金メダルを獲得しました。新競技の空手で日本選手として初めての金メダル獲得です。

東京オリンピックの新競技、空手の形は、複数の敵を想定し1人で攻撃や守りの技を出して技の正確さやスピードなどを競います。

喜友名選手は予選と準決勝で出場した選手の中ではいずれもトップとなる28点台を出して順当に勝ち上がり、決勝では、スペインのダミアン・キンテロ選手と対戦しました。

先に演武したのは、キンテロ選手で、「スーパーリンペイ」で臨みました。

キレのある演武でポイントが27.66となりました。

一方、喜友名選手は「オーハンダイ」を選択しました。

この形は手数が多くバランス感覚などが求められ、一歩を踏み出す間に次々に技を繰り出すため難度が高いと言われています。

喜友名選手は持ち味の力強さをいかした突きと蹴りや、軸がぶれない安定感ある演武を披露し、ポイントは28.72でした。

喜友名選手は1.06の差で勝ち、空手で日本選手としては初めての金メダルを獲得しました。

男子形は銀メダルがスペインのダミアン・キンテロ選手、銅メダルはトルコのアリ・ソフオール選手とアメリカのアリエル・トーレス グディエレス選手でした。

亡くなった母親の写真を持って表彰台に

空手男子形で金メダルを獲得した喜友名諒選手は、亡くなった母親の紀江さんの写真を持って、表彰台に上りました。

そして、メダルを手に取って首にかけたあとリボンの間に写真を通してメダルをかけるしぐさを見せていました。

表彰式のあとインタビューに応じた喜友名選手は「これまで重ねてきたことがこの舞台につながってくれて、本当にたくさんの方々、支えてくださる方々が浮かびました」と振り返りました。また紀江さんへどんなことばで報告するのか聞かれ「『しっかり約束は守ったので安心していいよ』と伝えたいです。笑って安心してくれていると思います」と話していました。今後、空手とどのように向き合っていくかを問われ「空手への姿勢を今回見せることができたので、子どもたちにたくさん夢や希望を持ってもらえるようにしたいです」と話していました。

「すべてに感謝」

金メダルを獲得した喜友名諒選手は「本当に自分1人ではこの舞台に立つことはできなかったので、すべてに感謝します」と静かに話しました。

金メダル獲得を決めた瞬間については、亡くなった母親に向けて「『しっかりと優勝したよ』と報告をしました」と話しました。

そして地元、沖縄の子どもたちに向けては「夢を諦めずに追いかけ続ければしっかりと達成できることを知ってもらえたと思う。大きな目標や希望を持って自分の道に進んでほしいなと思います」とエールを送っていました。

「ほかの選手をすべて圧倒する」そのことばどおりの金メダル

“絶対王者”の喜友名諒選手は「稽古のときと同じ演武ができれば、優勝できる」と自信を持って臨み有言実行の金メダル獲得です。
新競技の空手で、日本選手として初めての金メダルです。

空手発祥の地とされる沖縄出身、5歳から空手を始めた喜友名選手は、大学生のときに頭角を現しましたが、国際大会ではなかなか優勝できませんでした。「周りの選手は優勝しているのに自分だけ優勝できなかったことが悔しかった」と1日も休まずに稽古に励み、鋭い突きや蹴りを繰り出せるよう力強さを磨きました。

2014年の世界選手権を初めて制したあとは国際大会で優勝を積み重ね、2018年2月に敗れるまで96連勝するなど、絶対王者へと上り詰めました。
同じ年の11月に行われた世界選手権では3連覇を成し遂げました。

去年12月には新型コロナウイルスに感染したものの無事回復し、さらなる力強さを求めて、トレーニングに力を入れました。
オリンピックでは金メダル最有力と大きな期待がかかる中「負ける気がしない。ほかの選手をすべて圧倒する」とことばどおり、予選からほかの選手に大差をつけました。

喜友名選手は、準決勝と決勝でもプレッシャーを感じさせない持ち味の力強く、迫力のある演武を見せて金メダルを獲得。
新競技の空手で日本に初めての金メダルをもたらしました。