オリンピック 卓球 またも立ちはだかった“中国の壁”

東京オリンピック、5日に行われた女子団体決勝で、日本は中国に敗れ銀メダルでした。今大会、日本は混合ダブルスで金メダルを獲得し、1度は乗り越えた中国の壁でしたが、その壁はさらに高くなって日本の前に立ちはだかり卓球王国の底力を示される結果となりました。

中国の壁 シングルスと団体でさらに高く

日本はこの大会、最初の種目の混合ダブルスで水谷隼選手と伊藤美誠選手のペアが中国のペアを破って日本卓球界初の金メダルを獲得しました。日本のこの勝利で「これ以上は絶対に負けられない」という卓球王国の強い危機感と気迫が、その後に行われたシングルスと団体で選手たちの底力を引き出しました。
女子シングルスでは、日本のエースの伊藤選手がこれまでの対戦では競り合いが多かった同い年の20歳、孫穎莎選手にストレート負け。シングルスでは男女ともに中国勢が金メダルと銀メダルを獲得し、中国卓球協会の劉国梁会長は「完璧な結果だ。孫選手が伊藤選手にストレート勝ちしたのは中国チームにとって最大の成果だ」と胸を張りました。
そして迎えた団体戦。
女子は中国と日本が順当に勝ち上がり、決勝で対戦しました。
劉会長は試合中、観客席から「迷わないで」とか「大丈夫」などと会場に響き渡る声で選手に声援をおくりました。さらにラケットケースを抱えて観客席を離れ、次の試合に備える選手にアドバイスをおくってまた観客席に戻るという行動を繰り返しました。劉会長のこの姿からも、中国チームの金メダルにかける必死さと本気度を感じました。
日本は最初のダブルスに出場した石川佳純選手と平野美宇選手のペアが第1ゲームを先取。第2ゲームは奪われましたが、第3ゲームは中盤まで競り合い、8対8の同点の場面。次のポイントをどちらが取るかで流れが左右される勝負どころとなりましたが、激しく打ち合う長いラリーで、日本のペアは厳しいコースに打ち込む中国選手のボールをあと1本多く返すことができずにポイントを奪われました。
これで中国ペアに流れを渡し、日本は最初のダブルスを落としました。

石川選手
「いいボールを打っても1本2本多く返ってくる。練習してきたことは出せたと思うが、相手の勝負どころでのプレーは強いなとすごく感じた」
続く第2試合では、伊藤選手がシングルスでストレート負けを喫した孫選手と再び対戦。雪辱が期待されましたが、第1ゲーム、8対6とリードしたところから、孫選手に持ち味のパワーのあるショットで攻め込まれて対応できず、5連続ポイントを奪われて逆転で落としました。
その後も伊藤選手は持ち味の強烈なスマッシュを打ち込んだり厳しいコースを突いたりと、攻略の糸口を探そうとしました。しかし、孫選手のかたい守りと少しの甘いボールも見逃さない厳しい攻めに押されて、今大会2回目の対戦も敗れました。

伊藤選手
「シングルスの時よりはいい卓球ができたと思うが、孫選手のすごいところを見せつけられた部分がたくさんあった」
第3試合のシングルスでストレート負けを喫した平野選手も「準決勝までは通用していたプレーがなかなか決まらなかったり、1本多く返ってきたりした。その1本もとても質が高く、普通に返してくれることが全然なかった。最後まで相手の強さに圧倒されてしまった」と話しました。
ここぞという勝負どころで絶対にミスをせず、精度の高いボールを返す中国選手。混合ダブルスで乗り越えた中国の壁はシングルスと団体ではさらに高くなって日本の前に立ちはだかりました。

日本は今大会、準決勝までは1試合も落とさずに危なげなく勝ち上がり、3位以下のチームとの力の差は示しました。
しかし、追いかける中国の背中をとらえることはなかなかできません。
伊藤選手は「中国選手以外に負けなかったのは自信になったが、やっぱり中国選手に勝ちたい気持ちがすごく強い。これからもそこはずっと変わらないし、日本選手が中国選手に勝つという目標をどんどん現実にしていきたい」と話し、打倒中国への決意を改めて示しました。

今回は1種目にとどまった打倒中国を今後、さらにほかの種目でも果たすことができるのか。日本の挑戦は続きます。