オリンピック【詳細】陸上男子50キロ競歩 川野が6位入賞

東京オリンピック、陸上男子50キロ競歩が行われ、川野将虎選手が3時間51分56秒のタイムで日本選手でトップの6位に入賞しました。

札幌市で行われた陸上男子50キロ競歩は暑さを避けるため午前5時半に始まり、中心部にある札幌駅前通の南北2キロの周回コースを25周する形で行われました。それでもレース前の気温は25度、建物の間から強い日差しがさす厳しい条件となりました。

レースは、スタート直後から中国の選手が前に出て先頭を歩き続けましたが、20キロすぎで後続の集団が追いつくと中間地点の25キロでは22人の大きな先頭集団となって通過しました。

レースが動いたのは29キロすぎで、ポーランドのダビッド・トマラ選手が抜けだし2位以下を大きく引き離していきました。

川野選手と丸尾知司選手は2位集団についていきましたが、36キロ手前で丸尾選手が遅れました。

川野選手は、41キロすぎに胸をおさえてコース脇に倒れ込みましたが、すぐにレースに戻ると前を追って歩き続け、トップと1分48秒差の3時間51分56秒のタイムで、日本選手でトップの6位に入賞しました。

勝木隼人選手は30位、丸尾選手は32位で日本はこの種目で2大会連続のメダル獲得はなりませんでした。

金メダルは3時間50分8秒をマークしたトマラ選手、銀メダルはドイツのヨナタン・ヒルベルト選手、銅メダルはカナダのエバン・ダンフィー選手でした。

川野選手は41キロ付近で胸をおさえてコース脇に倒れ込むアクシデントがありましたが、それを乗り越えて日本選手で最高の6位でフィニッシュしました。

今大会がオリンピックでは最後となる50キロ競歩。先輩たちの歩んできた道を踏まえ「金メダルを目標にしっかり調整していくことが、今の自分にできる責務」とレースに臨む覚悟は人一倍強いものがありました。

さらに5日は男子20キロで池田向希選手が銀メダルを獲得。同じ静岡県出身で、東洋大学の同級生、いまは同じ所属先で切磋琢磨する仲間の活躍は大きな刺激となりました。

メダルを目指して臨んだ6日のレース、アクシデントがあって倒れ込んだ時、川野選手は両手で地面をたたいて悔しがりました。

それでもすぐにレースに戻ると最後まで前を目指して歩き続け集団に追いつきました。

そして、最後は堂々と6位でフィニッシュラインをきりました。メダルには届きませんでしたが、日本競歩の意地を見せた川野選手のレースでした。

川野 フィニッシュ後 全身けいれん「暑さにやられた」

男子50キロ競歩で6位に入賞した川野将虎選手は、フィニッシュしたあと、熱中症で全身がけいれんしてつるような状態になったため、医務室に入り取材を受けることができず、その後、日本陸上競技連盟を通じてコメントを出しました。

この中で41キロすぎに胸をおさえてコース脇に倒れ込んだ場面について「途中から内臓が苦しくなっておう吐した。暑さにやられてしまった」と振り返った一方で「気持ちはいつ切れてもおかしくない状態だったが、絶対に切らしてしまってはダメだ、絶対に最後まで勝負するんだという気持ちで切り替えた」と話しました。

また「出場選手にはベテランが多く、暑さ対策やレース展開の部分でも経験の差を感じた」とも話していました。

そのうえで、オリンピック種目として50キロのレースが最後になったことを受け「本来、メダルという形で、これまで50キロについてつないできてくれた人たちに恩返しをしたかった。ただ、最大限の力を出し切ってのこの結果だった。競歩の新しい世界が始まるという考え方もできるので、自分がしっかり今後へつないでいくくらいの気持ちで頑張っていきたい」と抱負を語りました。

勝木 ほどけた靴ひも「準備不足だった」

男子50キロ競歩で30位となった勝木隼人選手は、序盤で靴ひもがほどけたアクシデントについて「結び直しても、またほどけてを繰り返してしまった。準備不足で冷静になれていなかった」と話しました。

そのうえで「入賞ラインまで順位を上げたかったが、前半で思うような歩きができずに、ばたばたしてしまった。イーブンで押し切ったというよりは全然だめだった」と、最後尾付近から順位を上げていったレースを涙をこらえながら振り返りました。

そして、50キロ競歩がオリンピックで行われるのは今回が最後になることについて「これで歩ききらなかったら一生後悔すると思ったし、最後の50キロに出させてもらえただけでも本当に幸せだ。応援してくださった方や支えてくれた方には感謝の気持ちでいっぱいだ。自分の今できることは、これが精いっぱいだったので、種目が変わっても新しい気持ちで次のオリンピックをねらって頑張っていきたい」と思いを語りました。

丸尾「結果で恩返しできるよう精進したい」

男子50キロ競歩で32位でフィニッシュした丸尾知司選手は「金メダルをターゲットにしていたので、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。ただ、ゴールできたのは、たくさんの方々の支えのおかげで、大会ができたのも、たくさんの方々のサポートのおかげだと思う。結果が残せなかったのが情けないが、感謝の気持ちでいっぱいだ」と涙ぐみながら話していました。

中盤まで2位集団につけたものの、その後、徐々に遅れて順位を落としたレース展開については「あの集団がメダル争いになると思っていたので、できるかぎり力を残しておこうと思っていたが、無理に前の選手を追おうとしてしまい、少し体力を消耗する行動があったかなと思う」と振り返りました。

そのうえで、応援してくれた人については「また結果を求め、結果で恩返しできるように精進していきたい」と話していました。

【レース経過】

<スタート>
午前5時半、男子50キロ競歩のレースが始まりました。
レース前の気象条件は気温が25度湿度が86%です。1周2キロのコースを25周します。

<2キロ>
2キロ地点、中国の羅亜東選手がスタート直後から前に出て1人で先頭を歩き、川野将虎選手と丸尾知司選手はおよそ20秒遅れた集団でレースを進めています。勝木隼人選手は2キロ付近で、靴ひもを結び直す姿が見られ少し遅れました。

<4キロすぎ>
4キロすぎに世界記録保持者のフランスのヨアン・ディニズ選手が中国の羅亜東選手を抜き先頭に立ちました。

<5キロ>
5キロ地点。世界記録保持者のフランスのヨアン・ディニズ選手がトップで、2秒遅れで中国の羅亜東選手が続いています。日本の川野将虎選手、丸尾知司選手が先頭から33秒遅れの3位集団につけています。2キロ付近で、靴ひもを結び直していた勝木隼人選手は先頭から1分23秒遅れの58位となっています。
<6キロ>
6キロを前にトップだったフランスのヨアン・ディニズ選手がトイレのため、一時、レースから離れ、中国の羅選手が再びトップにたちました。

<6キロすぎ>
2位だったフランスのヨアン・ディニズ選手がトイレを探して順位を下げました。中国の羅選手がトップです。日本の川野将虎選手と丸尾知司選手は20秒から30秒遅れた2位集団につけています。勝木隼人選手は大きく遅れています。

<10キロ>
10キロ地点。中国の羅亜東選手が47分57秒、トップで通過しました。日本の川野将虎選手と、丸尾知司選手は、ともに先頭から25秒ほど遅れたたてに長い2位集団の前方につけています。勝木隼人選手は先頭から1分以上遅れています。

<12キロ>
12キロ地点。トップを走る中国の羅選手と日本の川野将虎選手、丸尾知司選手を含む2位集団との差は36秒ほどと10キロ地点からはさらに10秒差が開きました。

<13キロ手前>
13キロ手前で、2位集団の丸尾知司選手が、少し前に出ました。集団は丸尾選手を先頭に縦長になっています。

<15キロ>
15キロ地点。中国の羅亜東選手が1時間11分33秒のタイムでトップで通過しました。先頭と2位集団の差は12キロ地点より14秒縮まって22秒差です。丸尾知司選手は2位集団の前方にいて、そのすぐあとに川野将虎選手も続きます。勝木隼人選手は大きく遅れています。

<18キロ>
18キロ地点。トップの中国・羅亜東選手と2位集団の差は、さらに縮まり、10秒差となりました。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手は10人余りの2位集団の前方に位置しています。

<20キロ>
20キロ地点。中国の羅亜東選手が1時間35分4秒のタイムでトップで通過しましたが2位との差はわずか1秒、丸尾知司選手と川野将虎選手のいる集団が先頭に追いつきました。勝木隼人選手は大きく遅れています。
<22キロ>
22キロ地点。先頭は16人の集団で1時間44分22秒のタイムで通過しました。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手も先頭集団でレースを進めています。

<23キロ手前>
23キロ手前で、一時、先頭から2分以上後れていた世界記録保持者でフランスのヨアン・ディニズ選手が、先頭集団に追いつきました。集団は17人となり日本の丸尾知司選手と川野将虎選手はこの集団の前方でレースを進めています。

<25キロ>
25キロ地点。先頭は22人の集団で1時間58分16秒のタイムで通過しました。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手もこの先頭集団でレースを進めています。この集団には前回リオデジャネイロ大会の金メダリスト、スロバキアのマテイ・トス選手もいます。

<28キロ>
28キロ地点。先頭は20人の縦長の集団です。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手もこの先頭集団でレースを進めています。世界記録保持者でフランスのヨアン・ディニズ選手は途中で立ち止まり大きく遅れました。気象台によりますと、午前7時半現在の札幌市の気温はスタート時から3度以上上がって28.4度、湿度は69%となっています。

<29キロすぎ>
29キロすぎにポーランドのダビッド・トマラ選手が集団から前に出ました。30キロの通過はトマラ選手が2時間21分21秒でトップ、9秒遅れて2位集団が続いています。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手はこの2位集団でレースを進めています。世界記録保持者のフランスのヨアン・ディニズ選手は棄権しました。

<32キロ>
32キロ地点。29キロすぎから前に出たポーランドのダビッド・トマラ選手が2位以下との差を広げながら2時間29分55秒のタイムでトップで通過しました。この2キロをトマラ選手は8分34秒で歩き30キロ地点では9秒だった差が50秒まで開いて2位集団が続いています。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手はこの2位集団でレースを進めています。
<34キロ>
34キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手がハイペースを維持して2時間38分27秒のタイムでトップで通過しました。先頭と2位集団の差はさらに開いて1分22秒です。日本の丸尾知司選手と川野将虎選手は、この2位集団でレースを進めています。

<36キロ>
36キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が2位以下との差をさらに広げながら2時間46分47秒のタイムでトップで通過しました。この2キロ、トマラ選手は8分20秒と依然ハイペースで、2位集団との差は2分4秒まで開いています。日本の川野将虎選手はこの2位集団でレースを進めています。丸尾知司選手は36キロ手前で2位集団から少し遅れはじめ、36キロ地点を2位集団から4秒ほど遅れて通過しました。

<36キロすぎ>
36キロすぎで、2位集団からカナダのエバン・ダンフィー選手が、抜けだしました。3位集団は10人ほどで日本の川野将虎選手はこの3位集団でレースを進めています。丸尾知司選手は集団から離されています。

<38キロ>
38キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が2時間55分14秒のタイムでトップで通過しました。2位は再び集団となり4人でトップとの差は2分27秒です。日本の川野将虎選手はこの2位集団でレースを進めています。丸尾知司選手は先頭から3分以上遅れました。気象台によりますと午前8時10分現在の札幌市の気温はスタート時から4度以上上がって29.8度、湿度は68%となっています。

<40キロ>
40キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が3時間3分45秒のタイムでトップで通過しました。2位集団との差は2分50秒までひらいています。2位集団は7人となり、日本の川野将虎選手はこの2位集団でレースを進めています。丸尾知司選手は2位集団からも大きく遅れています。
<41キロすぎ>
41キロ地点を過ぎて川野将虎選手が胸をおさえてコース脇に倒れ込む姿が見られ2位集団から遅れました。42キロの通過でポーランドのダビッド・トマラ選手がトップ、3分2秒の差で5人の2位集団が続き、川野選手は集団から15秒遅れて7位で前を追います。気象台によりますと午前8時半現在の札幌市の気温はスタート時から5度以上上がって30.1度、湿度は65%となっています。

<43キロ手前>
43キロ手前で、川野将虎選手が2位集団に追いつきました。選手が1人集団から遅れ2位集団は5人でトップのポーランドのダビッド・トマラ選手を追っています。

<44キロ>
44キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が3時間21分13秒のタイムでトップで通過しました。2位は現在5人の集団でトップとの差は3分11秒です。日本の川野将虎選手は一時、この集団から15秒ほど遅れましたが、その後追いつき、現在はこの集団でレースを進めています。
<46キロ>
46キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が3時間30分26秒のタイムでトップで通過しました。日本の川野将虎選手はトップから2分59秒差の2位集団につけていて、カナダのエバン・ダンフィー選手が遅れて集団は4人になりました。

<47キロ手前>
47キロ手前で2位集団でレースを進めていた川野将虎選手が集団から遅れはじめました。

<48キロ>
48キロ地点。ポーランドのダビッド・トマラ選手が3時間40分4秒のタイムでトップで通過しました。2位集団はスペインのマルク・トゥル選手とドイツのヨナタン・ヒルベルト選手でトップと2分3秒の差で追っています。日本の川野将虎選手は2位集団から離され、トップと2分32秒差の6位となっています。

<フィニッシュ>
陸上男子50キロ競歩は29キロすぎから先頭に出たポーランドのダビッド・トマラ選手がトップを守りきって3時間50分8秒のタイムで金メダルを獲得しました。
川野将虎選手は3時間51分56秒のタイムで日本選手でトップの6位に入賞しました。
勝木隼人選手は4時間6分32秒で30位、丸尾知司選手は4時間6分44秒で32位でフィニッシュしました。