透析患者へのワクチン接種 国が自治体などに体制整備を求める

新型コロナウイルスのワクチン接種の加速化が課題となる中、感染すると重症化しやすいとされる人工透析を受けている患者でも、接種できていない人がいて、国は自治体などに接種体制を整えるよう求めています。

透析患者は、新型コロナに感染すると重症化しやすいとされ、優先接種の対象となっていますが、東京 世田谷区の透析クリニックでは、およそ160人いる患者のうち、ワクチンの接種を希望しているものの、接種を終えられていない人が30人ほどいます。

クリニックでは、先月から個別接種を行う体制を整えましたが、現在は自治体からのワクチンの供給が滞っている状態だということです。

透析患者は定期的に通院する必要があるため、新型コロナに感染した場合でも入院先が決まるまでは受け入れざるを得ず、クリニックでは、個室で感染対策を徹底しながら対応にあたっているということです。
腎内科クリニック世田谷の菅沼信也院長は「透析患者は重症化や死亡のリスクが一般の人よりも高いため、若年層を中心に接種を終えられていない人がいる状況には、強い危機感を持っている。病床もひっ迫し、透析患者でも、すぐに入院することは厳しくなっているので、1日も早く希望する患者がワクチンを打てるようになってほしい」と話しています。

こうした状況を受けて厚生労働省は先月、自治体などに対し、透析患者が通う医療機関で、ワクチン接種の体制を整えるよう通知を出しています。