自宅療養者への対応に集中 新規患者制限のクリニックも 東京

新型コロナウイルスの感染が急拡大する中、自宅で療養する人たちの命をどう守っていくのか。自宅療養者が過去最多の1万4000人を超えている東京では、新規の患者への対応を大幅に制限し、自宅療養者への対応に集中するクリニックも出ています。

東京 新宿区で在宅医療を行うクリニックでは、4日から新規の患者への対応を大幅に制限し、自宅療養者への対応に集中することを決めました。

クリニックには保健所などから自宅療養者への健康観察や往診などの対応依頼が、連日10件ほど寄せられていて、医師などが療養中の患者に電話し、体温や体調の変化などを聞き取っていました。

こうした中、容体が悪いと判断した場合は、医師と看護師で患者の自宅に往診に向かっていました。

このうち、20代の患者は39度を超える高熱があり、水も飲めないほど、ぐったりしているという訴えが家族からあったということです。

医師や看護師は防護服に着替えて往診に入り、採血をしたほか、脱水症状のおそれがないか確認を行い、しばらく経過観察を続けることにしています。

また、同じく4日に往診した別の20代の患者については、状況を報告書にまとめていました。

それによりますと、この患者は熱は37度台でそれほど高くなかったものの、血液中の酸素の数値が低くなっていたということです。

ただ、周辺の病院ではすぐに受け入れが難しく、医師は自宅でも酸素をとることができる機器を使用してもらい、様子をみることにしています。

「新宿ヒロクリニック」の英裕雄院長は「自宅療養者への対応は、リスクに合わせて地域で支えていく。スピーディーに、漏れなく、対応していかないといけない。20年以上、開業してから新規の患者への対応を減らす選択をしたのは初めてです。陽性者への対応を行うなら、ほかの業務を縮小せざるをえない。新規の患者さんで少し待てる人は待っていただく。8月の1か月間は、ヤマだと思っているので、体制を取っていかないといけない」と話していました。