東京都 医療体制維持で緊急措置 回復者は自宅療養で病床確保

東京都は、感染が急拡大するなか医療提供体制を維持するため入院患者のうち回復した人はすみやかに自宅療養に切り替えることなどによってより症状の重い人を優先的に入院させるなど、緊急的な措置をとることになりました。「中等症以上」としている今の入院の基準は維持するものの、病床の使用状況などに応じて個別に判断していくとしています。

都がまとめた「緊急時の体制」の案では、医療機関を、▼重症の患者やそのリスクがある患者を中心に受け入れるところと、▼比較的症状が軽い患者を中心に受け入れるところで役割を分けるとしています。

そのうえで、患者の状態に応じて転院させたり、回復した患者はすみやかに自宅や宿泊での療養に移ってもらったりして、必要な病床を確保するとしています。

「中等症以上」としている現在の入院の基準は維持するものの、病床の使用状況などに応じて個別に判断していくとしています。

こうした対応によって、より症状が重い人を入院させるなど優先的に対応することがねらいです。

また、▼自宅療養では地元の医師会などを通じて、オンライン診療や往診を行っていくとともに、▼ホテルなど宿泊療養施設では酸素濃縮器を用意したうえで、自宅やホテルで療養している人の容体が悪化した場合は、必要に応じて医療機関に入院してもらうことにしています。

都は、こうした措置は感染が急拡大するなか医療提供体制を維持するための緊急的な措置だと説明しています。

策定にかかわった東京都医師会の猪口正孝副会長は、「単純ないくつかの指標で仕分けすることは、なかなかできない。全身の状態を見ながら、いろいろな検査をして、明確に入院を判断し、関係機関でうまく連携しながら、東京ならではの体制をとっていきたい」と述べました。