東京都 新型コロナ 過去最多の5042人感染確認 5000人超は初

東京都内では5日、一日の発表としてはこれまでで最も多い5042人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されました。5000人を超えるのは初めてで、2日連続で過去最多を更新しました。また都は感染が確認された1人が死亡したことを明らかにしました。

東京都は5日、都内で新たに10歳未満から100歳以上までの男女合わせて5042人が新型コロナウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

一日の発表としては、これまでで最も多かった4日の4166人を上回り、初めて5000人を超えました。過去最多を更新するのは2日連続です。

5日の5042人は、1週間前の木曜日から1177人増えています。

5日までの7日間平均は3646.9人で、前の週の164.0%となりました。

都の専門家は「これまで経験したことのない爆発的な感染拡大だ」として、強い危機感を示しています。

5日の5042人の年代別は、
▽10歳未満が229人
▽10代が441人
▽20代が1600人
▽30代が1120人
▽40代が811人
▽50代が552人
▽60代が150人
▽70代が73人
▽80代が52人
▽90代が13人
▽100歳以上が1人です。

都の担当者は「相変わらず若い世代の感染者が多いが、『自分は感染しても症状が軽いから大丈夫』などと考えている若者が多いという印象がある。若者でも重症化する可能性があり、最悪の場合、自分が感染して、うつした相手が亡くなる可能性もあることまで考えて、基本的な対策の徹底を心がけてほしい」と呼びかけています。

5日の5042人のうち感染経路がわかっている1799人の内訳は、
▽「家庭内」が最も多く1125人
▽「職場内」が284人
▽「施設内」が116人
▽「会食」が72人などとなっています。

東京オリンピック関連では、
外国人が
▽委託業者1人
▽競技関係者1人
▽メディア1人
日本人が
▽委託業者2人
▽競技関係者1人の、合わせて6人の感染が確認されました。

これで都内で感染が確認されたのは23万6138人となりました。

一方、5日時点で入院している人は4日より16人減って3383人で、「現在確保している病床に占める割合」は56.7%です。

都の基準で集計した5日時点の重症の患者は4日より20人増えて135人で、重症患者用の病床の34.4%を使用しています。重症の患者が130人を超えるのはことし2月1日以来です。

また都は、感染が確認された60代の男性1人が死亡したことを明らかにしました。これで都内で死亡した人は2302人になりました。

一日の感染者数5000人超とは

東京都で新型コロナウイルスへの感染が確認された人が5日、一日の発表としては初めて5000人を超えました。

新型コロナウイルスの感染が始まってから1年半以上がたつ中で、一日に発表される新規感染者数が5000人を超えたのは全国でも5日を含めて47日間しかなく、東京都という1つの自治体だけで5000人を超える事態になったのは初めてで、現在の感染拡大がこれまでにない規模になっていることを示しています。

全国で一日に発表される新規感染者数が初めて5000人を超えたのは感染の第3波のことし1月6日で、第3波では1月22日までに5000人を超えたのは14日間でした。

また、感染の第4波では4月21日から5月21日までの間に21日間、感染の第5波では先月22日以降、5日も含めて12日間となっています。

東京都では現在、検査を受けた人のうち陽性と判定される陽性率が20%を超え、これまでにない感染拡大を示す状況になっていますが、先週後半からは夜間の人出が増加に転じていて厚生労働省の専門家会合は当面は感染拡大の継続が避けられないとしています。

「L452R」変異ウイルス 過去最多2444人確認

東京都は5日、都内で1日の発表としてはこれまでで最も多い2444人がインドで確認された「L452R」の変異があるウイルスに感染していることを確認したと発表しました。

また、陽性と確認された割合は初めて80%を超えて82.4%となり、これまでで最も高くなりました。

5日の2444人のうち感染経路がわかっているのは487人で、
▽家庭内が284人、
▽職場内が70人、
▽会食が32人、
▽施設内が7人などとなっています。

これでこの変異ウイルスへの感染が都内で確認されたのは、1万2768人になりました。

小池知事「デルタ株は非常に厳しい」

5日、都内で過去最多の5042人の感染が確認されたことについて、東京都の小池知事は、都庁で記者団に対し「準備はしていたが、デルタ株は非常に厳しい。一般の方々の会話の中でも『知り合いが感染した』といったことが交わされるようになっており、自分事として捉えていただく以外にない。改めて注意喚起をしっかりしていきたい」と述べました。

厚生労働省幹部「想像を超える感染力」

厚生労働省の幹部の1人は「これまではワクチン接種さえ進めばどうにかなるというイメージだったが、デルタ株の感染力が当初の想像を上回っていて2週間たたずに都内の1日の新規感染者が1万人を超えてくることも十分に考えられる。国民の行動が大きく変わらないかぎり、欧米の一部のように接種を事実上義務化するか、ロックダウンのような強い対策を取ることも検討しなくてはならない状況だ」と話していました。

ほかの幹部は「新規感染者の数が倍、その倍というような増え方をしていて恐怖を覚えるスピードだ。専門家が示すどのデータを見ても感染者が減る要素がなく、今までがまるで練習だったように思えるほど全く次元の違う段階に入ってきたと受け止めている。当分は家族など身近な人にしか会わないなど、一人一人に対策を強化してもらう以外打つ手がない」と話しています。

また、別の幹部は「この状況を重く受け止めている。確保できる病床には限界があるので感染が拡大する元を絶たなければならない。ただ、国民に対して何をするのもだめだと伝えても理解は得られないので、感染リスクが特に高い行動に絞って自粛を求めるなどメリハリをつけて呼びかけていくしかない」と話していました。