常温保管のワクチンを120人に接種 神奈川 松田町の診療所

神奈川県松田町は先月、町立の診療所で冷蔵庫の電源が切れ、常温で保管されていたワクチンを120人に接種していたことを明らかにしました。接種の効果が十分に得られない可能性があるということで、町は今後、全員に抗体検査を行うことにしています。

松田町によりますと町立の寄診療所では、電源が切れた冷蔵庫で常温で保管されていたワクチンを先月中旬、120人に接種したということです。

診療所ではこの2日前の先月13日、停電が起きたため、冷蔵庫を非常用のバッテリーにつなげたということですが、停電が解消したあと、通常の電源に戻すのを忘れたということです。

バッテリーが切れたあと、ワクチンは最長で2日にわたって常温で保存されていた可能性がありますが、診療所の医師の判断でこのワクチンを廃棄せず、接種したということです。

2日、診療所から報告を受けた町は4日から、接種した人に連絡を取って謝罪を進めていますが、これまでのところ健康被害の情報は寄せられていないということです。

町は十分な抗体が作られない可能性があるとして、今後、全員に抗体検査を行い、必要があれば再度、接種を行う方針で「接種を受けた方に深くおわび申し上げます。冷蔵庫の温度確認を定期的に実施するなど再発防止に努めたい」としています。