「デルタ株」首都圏では約90%占めると推定 厚労省 専門家会合

新型コロナウイルスの感染者数が連日、過去最多を更新する中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、感染が各地で急拡大する状況や、中等症などの患者が急増し、ひっ迫が始まっている医療体制の状況について分析が行われました。
また、重症患者などを除き、自宅療養を基本とする政府の方針についても意見が交わされました。

会合で示された資料によりますと、新規感染者数は3日までの1週間では前の週と比べて、全国では2.09倍と急激に増加していて、緊急事態宣言が出されている東京都では1.89倍、沖縄県でも2.17倍と急拡大に歯止めがかかっておらず、今月2日から宣言の対象地域に追加された地域でも、神奈川県で2.26倍、千葉県で2.04倍、埼玉県で2.03倍、大阪府で1.90倍と1週間前の2倍前後の急拡大になっています。

また、今月2日からまん延防止等重点措置が適用されている地域でも、北海道で2.04倍、石川県で1.47倍、京都府で2.41倍、兵庫県で2.35倍、福岡県で2.79倍と急増しています。

現在の感染状況を人口10万人当たりの直近1週間の感染者数で見ると、沖縄県が179.15人、東京都が167.82人で、これまでに国内のどの地域でも経験したことのない規模の感染拡大になっているほか、神奈川県が102.79人、埼玉県が86.22人、千葉県が80.41人、大阪府が68.90人などとなっていて、全国でも58.54人と感染状況が最も深刻な「ステージ4」の目安の25人を超えているのは23の都道府県にのぼります。

また、感染力の強い変異ウイルス「デルタ株」は、首都圏では、すでに感染全体のおよそ90%を占めるに至ったと推定されています。

会合では、中等症などの患者が急増し、ひっ迫が始まっている各地の医療体制の状況について確認したうえで、重症患者などを除き、自宅療養を基本とする政府の方針についても意見が交わされ、十分な医療を提供するために必要な対策や、感染の急激な拡大を抑えるための人出の抑制策などについて議論が行われました。

田村厚労相「感染拡大の状況 続く可能性念頭に対策を」

田村厚生労働大臣は、専門家会合の冒頭で「過去最大規模の感染拡大であり、危機的な意識を持っている。夜間の滞在人口が減っている状況下にあって、今までにないような新規感染者の伸びとなっていることを本当に危惧している。こういう状況がまだ続く可能性が十分にあることを念頭に置きながら、対策を組んでいかないといけない」と述べました。

また、重症患者などを除き、自宅療養を基本とする方針についても、重ねて理解を求めました。