日本製鉄 高めた東京製綱の株式保有比率 再売却で引き下げへ

鉄鋼最大手の日本製鉄は、ワイヤーロープのメーカー、東京製綱に対して行ったTOB=株式の公開買い付けについて、公正取引委員会からの指摘を受け、19%余りまで高めた株式の保有比率を再び10%以下に引き下げるため、今後、株式を売却すると発表しました。

日本製鉄は、東京製綱に対し業績の不振が続いているとして経営への影響力を強めるために敵対的なTOBを行い、ことし3月には株式の保有比率を議決権ベースでそれまでの9%台から19.91%まで高めていました。

日本製鉄は比率を20%以下にとどめ、経営の独立性は維持しているとしてきましたが、発表によりますと、公正取引委員会からこの資本関係が、市場の競争に影響を及ぼさないか審査の対象となる「結合関係」にあたると指摘されたということです。

このため、会社では株式の保有比率が再び10%以下となるよう、今後、株式の売却を行うことになり、東京製綱の株価の動向などを見極めて売却の時期を判断するとしています。

会社では、経営体制の再構築という目的は達成できたとしたうえで、引き続き筆頭株主として業績の回復に貢献するとしています。

一方、日本製鉄は来年3月までの1年間の業績見通しについて合わせて公表し、コロナ禍で落ち込んでいた自動車向けの生産が一段と回復するなどとして、グループ全体の最終的な利益をこれまでの2400億円から3700億円に上方修正しました。