オリンピック ボクシング女子で日本選手初 入江聖奈 金メダル

東京オリンピック、ボクシング女子フェザー級で入江聖奈選手が金メダルを獲得しました。ボクシング女子で日本選手がメダルを獲得するのは初めてです。

東京オリンピック、ボクシング女子フェザー級の決勝で入江聖奈選手はフィリピンのネスティー・ペテシオ選手と対戦しました。

この選手はおととしの世界選手権のチャンピオンで、入江選手は対戦し、敗れている強敵です。

第1ラウンド、入江選手は、踏み込んでパンチを当てるなど試合を優位に進めました。

第2ラウンドは積極的に攻めてくる相手に押される展開となりました。
最終の第3ラウンドは打ち合いの中でもうまく相手の攻めをしのいでボディーへのパンチや左右の連打を決めました。

入江選手は5対0の判定で勝って、金メダルを獲得しました。

判定を受けて、入江選手はリングの上で飛び上がって喜びを表し涙を流していました。

ボクシング女子に日本は今大会、初めて選手が出場していて、日本選手がメダルを獲得するのは初めてです。

ボクシング女子フェザー級は銅メダルが、イギリスのカリス・アーティングスタール選手と、イタリアのイルマ・テスタ選手でした。

入江「夢みたい」

入江選手は「夢みたいで何回もほっぺたをつねりました。今も夢の中のような気がします。実感がわかないので何回も金メダルを見たい」と話し、マスク越しでもわかる笑顔を見せていました。

決勝の試合については「無我夢中で覚えていないです。13年間を出せるように頑張りました。ずっと支えてくれた両親に報告したいと思います」と話していました。

「笑顔」「笑顔」「笑顔」 ルーティーンは“入江スマイル”

ボクシング女子でフェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈選手をこの大会で印象づけたのが、「笑顔」です。
1回戦から「笑顔」を意識しながら入場し、リングに上がりました。
入江選手がオリンピックの代表に内定した去年3月のアジア・オセアニア予選で所属する大学の監督から声をかけられました。
「笑顔で楽しむんだよ」このアドバイスを受けて、笑顔を意識すると、いい動きが出来たといいます。

野球のイチローさんが打席でバットをスタンドの方に向けるしぐさ。
ラグビーの五郎丸さんがキックの前に行っていた独特のポーズ。

アスリートには集中力を高めるためのルーティーンを持っている選手が少なくありません。

入江選手は監督のことばをきっかけに「笑顔」という試合前のルーティーンを獲得したのです。

入江選手はオリンピックに向けて「緊張をほぐすためにも“入江スマイル”は大事。(決勝までの)5回、“入江スマイル”を見せることができると思う」と大会前に意気込みを示していました。

それでも、オリンピックという4年に1度の舞台。さらにはボクシング女子にとって初めて選手が出るという歴史的な大会。極度の緊張を強いられることは疑いありません。
メダル獲得を決めた先月28日の準々決勝のあと、「(笑顔を)意識したけど、ほっぺが引きつっちゃって...」と、試合前は硬さがあったと認めた入江選手。

その分、勝利をつかんだ試合のあとのインタビューでは「20年しか生きていないが、いちばんうれしかった。大好きなごはんがのどを通らないぐらい緊張していたが、結果につながってよかった」と満面の笑みを浮かべていました。
20歳の若きボクサーは、俊敏なステップワークに得意の左ジャブ、右ストレートといったリング上の持ち味だけでなく、リングの外での「笑顔」という新たなルーティーンを味方につけて金メダルという最高の結果を残しました。

カエル大好き

入江聖奈選手は大のカエル好き。
カエルの魅力について「ボヨヨンとしたシルエット。つぶらな瞳。本当にかわいい」とその理由を話します。

ペットのカエルをデザインしたTシャツを愛用。
新型コロナウイルスの感染防止対策として手放せないマスクにもカエルが描かれています。

競技で使うマウスピース入れにもカエルのシールが貼ってあります。
大会前の練習では、マウスピース入れを手にしながら「この色合いが好き。カエルと一緒に戦いたい」と話しカエルへの愛にあふれています。
カエルが好きだと報道されたことを受けて、SNSでカエル好きの人たちからフォローされたということです。

「カエル好きどうし、何かつながっているものがあると思う」と話していました。カエルへの愛は決勝前日も変わりません。
2日の自身のツイッターに「ありがたいことにフォロワー様が増えた。オリンピックが終わったらカエル探しの旅に出るつもりです」と投稿しました。
決勝で判定勝ちが告げられた瞬間、カエルのようにリング上で跳びはねて喜んだ入江選手。

リングに上る前の笑顔。深いカエルへの愛。

闘志あふれるプレースタイルとは対照的な一面が、20歳の若き金メダリストの魅力をふくらませています。

井上尚弥「日本女子選手初の快挙に心からお祝い」

入江聖奈選手が日本のボクシング女子で初めての金メダルを獲得したことについて、プロボクシング、バンタム級の2団体統一チャンピオン、井上尚弥選手は「僕もロンドンオリンピックを目指していた身として、アマチュアボクシングのレベルの高さと厳しさを肌で感じました。夢舞台での金メダル、日本女子選手初の快挙に心からお祝い申し上げます」とコメントしています。