熱海 土石流発生から1か月 現場で黙とう 22人死亡 5人捜索続く

静岡県熱海市で大規模な土石流が発生してから3日で1か月です。

現場では依然、行方不明となっている5人の捜索が続く中、川勝知事らが現場を訪れ犠牲になった人たちに黙とうをささげました。

7月3日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流被害ではこれまでに22人が亡くなり、現場では3日も警察などが朝8時から依然、行方不明となっている5人の捜索を続けています。

発生から1か月となる3日、川勝知事や熱海市の斉藤栄市長らが現場を訪れ、発生当日、消防に最初の通報があった午前10時28分に合わせてサイレンが鳴ると黙とうをささげました。

このあと県の復旧復興チームが、甚大な被害を受けた逢初川や下流の港の復旧を進めるため被災状況の調査に出発しました。

川勝知事は「県をあげて地域の復旧復興に入っていく。住まいの確保など被災した人たちの希望を聞きながら穏やかな生活を取り戻せるよう全力を尽くしていきたい」と話していました。

また、斉藤市長は「最大のテーマは被災者の生活の支援で、さまざまな悩み事に一つ一つ対応していくことがいま最も重要だと考えている。また、この被災地域をどういう形に復旧していくか住民の意見を踏まえながら県とも連携して取り組んでいきたい」と話していました。

生活再建が課題 盛り土対応めぐり責任問う声も

今回の土石流では130棟余りの住宅などが被害を受けおよそ300人が避難生活を続けていて、中には住宅を流されて失った人も少なくありません。

NHKが被災した60人に聞き取りをしたアンケート調査では「住まいの確保」や「地域の復興」に不安を訴える声が多く、生活の再建が課題となっています。

一方、被害を拡大させたとみられる上流部の盛り土への対応をめぐり、家族を亡くしたり家を流されたりした住民9人が2日、記者会見を開き「市や県が盛り土にもっと早く対応していれば起きなかった」として、人災だと訴えました。

そして今後、盛り土を造成した業者や市などに対し損害賠償などを求める訴えを起こすことも検討していく考えを明らかにしました。

県や市は盛り土をめぐる当時の対応の検証を進めていて、盛り土の危険性をどの程度認識し、安全性などをどこまで確認していたかなどが焦点となります。

加藤官房長官「生活再建 被災地の復旧に全力」

加藤官房長官は閣議のあとの記者会見で「現地では発災直後から警察、消防、自衛隊、海上保安庁などが救助、捜索活動を全力で行ってきたところだ。引き続き、行方不明者の捜索に加え地元自治体と緊密に連携しながら1日も早い被災者の生活再建、被災地の復旧に全力であたっていきたい」と述べました。

そのうえで「今回の土砂災害の原因として指摘をされている盛り土については、静岡県において土石流発生箇所の土質をサンプル調査するなど原因究明に向けて調査が行われていると承知している。政府としても専門家の派遣やドローンによる調査など、発生メカニズムの把握のための協力を行っている」と述べました。

そして加藤官房長官は「危険な盛り土の総点検を政府として行うとともに、危険箇所への対応や土地利用規制など安全性を確保するために必要な対応策を検討することにしており、同様の災害を防止するための取り組みを進めていきたい」と述べました。