デルタ株 従来のウイルスよりも症状引き起こす力が強い可能性

新型コロナウイルスの変異ウイルス、「デルタ株」について、従来のウイルスよりも症状を引き起こす力が強い可能性があるとする動物などでの実験結果を東京大学などのグループが、発表しました。

この研究は東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授らのグループが第三者のチェックを受ける前の「査読前論文」としてインターネット上で発表しました。

グループは、「デルタ株」にある複数の遺伝子の変異のうち、「P681R」と呼ばれる変異を持つウイルスを人工的に作製し、培養細胞に感染させて反応を調べました。

新型コロナウイルスに感染すると周囲の細胞が壊れて融合し、塊ができることが分かっていますが、実験の結果、この変異があると従来のウイルスに比べて平均で2.7倍、大きい塊ができたということです。

さらに、この変異があるウイルスに感染したハムスターは、感染から1週間後の体重が従来のウイルスに感染した場合と比べて4.7%から6.9%、余分に減少することも確認したということです。

グループによりますと、ウイルスは一般的に細胞の塊が大きくなるほど症状を引き起こす力が強くなるということで、佐藤准教授は「デルタ株では、この変異がある影響で病原性が高まっている可能性がある。新たな変異株の特性をできる限り早く明らかにしていきたい」と話しています。