オリンピック 水球男子 37年ぶりの勝利 ロサンゼルス大会以来

東京オリンピック、水球男子、ここまで予選リーグ4連敗の日本は、予選リーグ第5戦で南アフリカに24対9で勝ち、1984年のロサンゼルス大会以来、37年ぶりの勝利を挙げました。

水球男子の日本は、予選リーグでここまで4連敗で、グループAの5位以下が確定し、すでに予選敗退が決まっています。

日本は最終戦となった2日の第5戦で、37年ぶりの勝利を目指して、同じくここまで4連敗の南アフリカと対戦しました。

試合は序盤から点の取り合いになり、第1クオーターは5対4と日本がリードしました。

しかし、第2クオーター以降は日本のペースとなり相手の反則を得点につなげてリードを広げると、第3クオーターから第4クオーターにかけて9連続得点を奪うなど南アフリカを攻守で圧倒し、24対9で快勝しました。

日本はこの試合、8人が得点をあげ、このうち、荒井陸選手と足立聖弥選手はそれぞれ4得点をあげる活躍をみせました。

日本は前回のリオデジャネイロ大会では32年ぶりの出場を果たしたものの1勝もできずに終えており、2日の南アフリカ戦は1984年のロサンゼルス大会以来、37年ぶりの勝利となりました。

キャプテン 大川「次につながる1勝」

水球男子の日本代表のキャプテン、大川慶悟選手は「いろいろな方が支えてくれて、応援してくれたなかで1勝できたことは素直にうれしい。目標とする場所には届かなかったが次につながる1勝だった」と話していました。

今後の目標については「ここでひと区切り。次の目標はもう少し整理して決める」と話していました。

稲場「マークされるなかでも決められる選手に成長したい」

予選リーグ5試合でチーム最多の14点をあげた稲場悠介選手は「長い間、オリンピックで勝てていなかったので率直にうれしい」と振り返りました。

今後に向けては「僕があと数本ゴールを決めていれば勝てた試合があったと思う。相手にマークされるなかでもゴールを決められる選手に成長していきたい」と話していました。

最年長 志水「感謝しかない」

今大会を最後に日本代表を引退するチーム最年長、32歳の志水祐介選手は「悔いのない代表生活だった。本当にいいチームに、いい仲間に支えられた。この舞台に立たせてもらえたのは感謝しかない。みんなが僕にパスを回してくれて最後は自分らしいゴールを決めることができた」と涙ながらに話していました。

今後について「僕よりもうまい若い選手たちがたくさんいるので、その選手たちが世界で戦えるようにしっかりとサポートしていきたい」と話していました。

大本監督「取り組んできたことを出すことができた」

大本洋嗣監督は「われわれが目指してきた『超攻撃型』の水球をやろうと臨んだ。今まで取り組んできたことをこの試合で出すことができてよかった」と振り返りました。

そのうえで「メダル獲得を狙える位置に来たと思っている。今後もいろいろな人に水球がおもしろいと思ってもらい競技人口を増やせるような戦いをしていきたい」と話していました。

“あえて攻めさせる” 新戦術に手応え

水球男子の日本代表は予選リーグ1勝4敗で準々決勝には進めませんでしたが、今大会、新たな戦術を使って強豪チームと対戦し、世界と渡り合える手応えをつかみました。

これまでの日本代表は、体が大きい外国の選手に対抗するため、守備の際、相手選手の前に出てパスカットを狙い、速攻につなげる独自の戦術「パスラインディフェンス」を多く使って戦ってきました。

しかし、前回のリオデジャネイロ大会では5戦全敗と結果は厳しいものでした。

世界トップレベルのチームに勝つためには何が必要なのか。

今大会に向けて、大本洋嗣監督が編み出したのが、新しい戦術「ポストディフェンス」。

この戦術は相手のボールを奪いにいくのではなく選手たちはゴール前に引いて守ります。

狙いは“あえて攻めさせること”でした。

大本監督は「『パスラインディフェンス』をすると、相手は日本のカウンター攻撃を警戒して攻めてこなくなる。そのため、日本の強みであるカウンター攻撃はできない。カウンター攻撃を仕掛けるためには相手にシュートを打たせる必要がある」と話していました。

日本は予選リーグで、従来のディフェンスと新たなディフェンスを織り交ぜ戦いました。

オリンピックで9回金メダルを獲得しているハンガリーとの試合では、11対16で敗れましたが、前半は競り合う展開に持ち込みました。

また、ギリシャ戦では9対10で競り負けましたが、ほぼ互角の戦いをしました。

日本代表は予選リーグ敗退となりましたが、世界との差は着実に縮まっています。