夏休み“家に帰れない?” 親元離れ暮らす大学生 帰省再検討も

新型コロナウイルスの感染の急拡大を受けて、都内の寮で暮らす大学生の中には夏休み中の帰省を再検討する動きも出ています。

東京 小金井市にある学生寮「松濤学舎」では、佐賀県と福岡県出身の男子大学生34人が親元を離れて暮らしています。

寮では去年、新型コロナウイルスの影響で夏休みに帰省する学生はわずかでしたが、この夏は6割余りが帰省を予定していたといいます。

しかし感染が急拡大するなか、帰省の中止や延期を検討する学生も出ています。

寮では2日朝、寮母が1日の全国知事会で、夏休み中の都道府県をまたぐ移動の原則中止や延期を呼びかけるよう、国に求める提言がまとめられたことを学生に説明しました。

説明を受けた大学2年生の上野陽心さん(20)は、地元の福岡に帰省するため2週間前に航空券を購入していましたが、現在は帰省するかどうか迷っているといいます。

50代の両親はワクチン接種が済んでおらず、31日には父から、帰省する場合は2週間前から行動に気をつけ、PCR検査を受けるよう連絡があったということです。

上野さんは「学生の長期休みの正月やお盆に帰省の自粛を求められていて、家に帰る機会が減っている。感染予防をして帰省しても『東京から帰ってきた』と厳しい目で見られると思うので帰省しづらいです」と話していました。

一方、4年生の小野赳さん(22)は、感染拡大を受けて帰省の時期を決めかねています。

仮に帰省する場合は、PCR検査かワクチン接種を終えてからにしたいと考えています。

小野さんは「感染状況を見て、帰省を中止するよう求める呼びかけが行われていることは理解できる」とした一方で「オリンピックが開催されて盛り上がっているのを見ると、心の中では納得できないし、ダブルスタンダードだと感じます」と話していました。

この学生寮では帰省の延期、もしくは中止の検討や、大事な用事などで必要がある場合はPCR検査を受けてから帰省するよう呼びかけているということです。

寮の運営責任者の岩橋誠さんは「学生は実家に帰省して元気な姿を見せたいと思っているはずです。PCR検査の相談など対応していきたい」と話していました。