「メダル取れなくてもあなたは最高」応援する男性の思いは

東京オリンピックの出場選手へのひぼう中傷が相次ぎ問題となる中、選手村の近くで「メダルが取れなくてもあなたは最高」というメッセージを掲げる男性の姿がSNS上で話題となっています。どのような思いでメッセージを掲げているのか、男性に話を聞きました。

東京オリンピックでは、国内外の出場選手たちがインターネット上でひぼう中傷の被害を受けるケースが相次ぎ、IOC=国際オリンピック委員会が、24時間態勢の相談窓口を設けてカウンセリングを行う取り組みを進めています。

こうした中、東京 中央区晴海の選手村近くの交差点で、手作りのメッセージボードを掲げて応援する男性の写真がSNSに投稿され、国内外で話題となっています。

メッセージボードには英語で「もしメダルが取れなかったとしても、あなたたちは最高だ。だから自分を信じて」という励ましのことばが書かれていて、投稿の1つは1日時点でおよそ28万の「いいね」がつき、6万回以上リツイートされています。

どのような思いでメッセージを掲げているのか知りたいと、NHKの記者が現場付近を訪れると、写真の男性に会うことができました。

男性は、前回東京大会が開かれた1964年生まれの57歳の会社員で、選手村から2キロほどのところに住んでいて、競技が始まった翌日の7月22日以降、週末の午前中や平日の出勤前にメッセージを掲げているということです。

大会10日目の1日は強い日ざしが照りつける中、午前9時すぎから妻と2人で交差点に立ち、海外の選手が乗るバスに向かってメッセージを掲げてエールを送っていて、選手たちは車内から笑顔で手を振って応えていました。

この取り組みについて、男性は「コロナ禍で一般の人の多くが苦しんでいる状態で無理に大会を開催することに納得できない思いもありました。もう1年延期して、選手や観客が自由に街中を歩け、国籍関係なく喜びを共有できる状態で開催すべきだったと思っています。一方で、競技する選手が悪いわけではないし、この状況で歓迎されていないと思っているという声もあり、選手のことは大歓迎ですよという思いでメッセージを掲げることにしました」と語っていました。

メッセージの内容については「多くの選手にわかるよう簡単な単語だけで、数秒で理解できる短いメッセージにしました。選手の皆さんがメダルのプレッシャーに押しつぶされそうになって競技しているのが伝わってくるので、ここに来た時点で最高レベルですよと、仮にメダルが取れなくても落ち込んだり失敗と捉えたりしないでほしい、『メダルがなくてもあなたたちは最高の人たちです』と伝えたいと思いました。選手たちには少しでもよい思い出を持ち帰ってもらいたいです」と話していました。