オリンピック 陸上女子100mハードル 寺田明日香は準決勝敗退

東京オリンピック、陸上の女子100メートルハードルの準決勝が行われ、日本記録保持者の寺田明日香選手は13秒06のタイムで出場した組の6着に終わり決勝進出はなりませんでした。

日本記録保持者の寺田選手は7月31日の予選を12秒95のタイムで走りこの種目で日本勢として21年ぶりとなる準決勝進出を決めました8月1日の準決勝は3組に分かれて行われ、各組の上位2着までと、タイムが上位の2人の合わせて8人が決勝に進出できます。

1組に登場した、寺田選手は序盤、スムーズにハードルをこえ好位置につけましたが、中盤以降は、スピードにのった海外の選手に離され、6着でフィニッシュしました。

タイムは13秒06で目標としていた自身が持つ日本記録12秒87の更新はなりませんでした。

寺田選手は着順でもタイムでも及ばず決勝進出はなりませんでした。

決勝には全体でトップの12秒26のタイムをマークしたプエルトリコのジャスミン・カマチョ クイン選手をはじめ12秒67までのタイムをマークした8人が進みました。

“これまで支えてくれた人の顔が浮かんだ”

寺田選手は「きょうは緊張というよりは、これまで支えてくれた人の顔が浮かび、落ち着いて走りたいと思った。できるだけ前についていきたかったのであっという間に離されてしまったのは本当に悔しい」と涙を流しながらレースを振り返りました。

そのうえで、「目標を持つ中でいろんな人たちに出会って一緒に目標をクリアしていくことや目標を作って進んでいくことがどれだけ大切で楽しいことか感じながらやってこれた。本当にありがたいと思っています」と最後は涙が笑顔に変わり、応援してくれた人たちへの感謝を語りました。

6歳の娘とともに歩んだ東京五輪への挑戦

目標としていた決勝進出に届かなかった寺田選手。それでも6歳の娘とともに歩んできた東京オリンピックへの挑戦は、陸上ファンのみならず、多くの人の心に刻まれました。

6歳の娘、果緒ちゃんを育てながら東京オリンピックの代表を勝ち取った寺田選手は大会が始まる前、まもなく7歳を迎える娘を抱きかかえたまま、言いました。

「オリンピックについて、ちょっとだけでも理解してくれるような年齢になったので、ママが国立競技場で走っている姿を少しでも覚えておいてくれたらいいな」

物心ついた娘に「前向きにチャレンジする姿を見てほしい」と必死に駆け抜けてきた日々。なんとなくママが走っていることしか認識できなかった子どもが、いつのまにかライバルの存在や目標とするタイムまで理解できるようになっていました。

目標タイムに到達できないと「タイム足りないじゃん」と厳しいことばをさらっと言うこともあったといいます。それでもその期待に応え「かっこいい姿を見せたい」と厳しいトレーニングに励んできました。

オリンピックで果緒ちゃんが出したオーダーは「3本走っている姿を見たい」。つまり、予選、準決勝、決勝の3本レースを見たいというものでした。

寺田選手は、その思いに応えようと予選で12秒95をマークし、日本選手として21年ぶりとなる準決勝進出を決めました。

目標まであと少し。しかし世界の壁は、そう甘くはありませんでした。いまだかつて日本選手が突破したことがない準決勝は13秒06の6着で敗退。その組のトップの選手は12秒6台で走るなど力の差は明らかでした。

レース後、涙ながらに感謝のことばを語った寺田選手。これで娘とともに歩んできた1つの挑戦が終わりました。

オリンピックでは目標には届きませんでしたが、ここ数年、相次いで日本記録を更新するなど、日本女子ハードル界のレベルを大幅に引き上げた功績は消えません。

何より高い目標に挑戦してきた日々は「かっこいいママ」として、果緒ちゃんの心にいつまでも残るはずです。この日のレースもまた、この親子を応援してきた多くの人に心に刻まれました。