カネミ油症 被害者の子や孫への影響初めて調査へ 厚生労働省

昭和40年代に西日本で相次いだ国内最大規模の食品公害「カネミ油症」で、厚生労働省は、被害者の子どもや孫にも健康影響が出ていないか、初めて調査を行うことを決めました。

カネミ油症は、昭和40年代に北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油に有害な化学物質が混入し、西日本で皮膚の異常やけん怠感などの健康被害が相次いだ国内最大規模の食品公害です。

有効な治療法はなく、当時、およそ1万4000人が被害を訴えたとされ、ことし3月末時点で2353人が患者と認定されています。

厚生労働省は31日、患者や企業との協議で、被害者の子どもや孫に健康影響が出ていないか、初めて調査を行うことを伝え、了承されました。

去年、支援団体が認定患者の子と孫合わせて49人にアンケートを行ったところ、多くの人に患者と同じ症状が見られたということで、一部の患者団体から厚生労働省に調査を求める声が寄せられていました。厚生労働省の研究班は、8月から調査票の送付を始め、10月末までの回収を目指すことにしています。

カネミ油症 患者認定と健康被害

昭和43年、北九州市のカネミ倉庫が製造した食用油にPCB=ポリ塩化ビフェニルなどの有害物質が混入しました。

国の研究班によって患者と認定する基準が定められ、検診の結果などをもとに都道府県などが認定を行っています。認定を受けると、企業から一時金として毎年5万円と治療費が支給され、国の調査に応じた場合は19万円の支援金が支払われます。

平成24年からは、当時、患者と同居していた家族もカネミ倉庫が製造した食用油を摂取し、心身の症状が出ているといった基準を満たせば、患者の認定を受けられるようになりました。ことし3月末時点で認定された2353人の患者のうち、333人が同居家族だということです。

厚生労働省によりますと、カネミ油症の患者は何らかのがんで死亡する割合が1.37倍高く、特に男性では死亡率が肝がんで1.82倍、肺がんで1.75倍だったということです。

また、油症が起きてからの10年間で、流産や早産、それに胎児の死亡が増加したということです。