病床に「空き」も感染急増で入院調整追いつかず 東京

東京都内で新型コロナウイルスに感染した入院患者の増加が続き、都が確保している病床の使用率は30日時点で50%余りとなりました。数字の上ではまだ半数程度空いていますが、かつてないスピードで感染が急増していることから、入院の調整が追いつかず自宅待機を余儀なくされるケースが相次いでいます。

都内で新型コロナウイルスに感染し、入院している患者は、30日時点で3135人で、都が確保している5967床に占める割合は52.5%です。

数字の上では、使用できる病床はまだ半分程度の2800床余り空いていますが、都によりますと、入院が必要な人でも自宅での待機を余儀なくされるケースが相次いでいるということです。

理由について都の専門家は、かつてないスピードで感染が急増していることから、入院の調整が追いつかなくなっているとしています。

専門家は「患者は1人ずつ症状も異なり、病床があれば誰でもすぐに受け入れられるわけではない。1日に調整がつく人数には限界がある」と指摘し、強い危機感を示しています。

また、入院調整にあたる都の担当者も「医療機関に毎朝、問い合わせているが、新たな入院患者を受け入れるための人員を確保できないとして断られるケースがある。何か所も問い合わせてやっと見つけている」と話しています。

都内では、確保病床の使用率が90%近くまで上昇した第3波のことし1月に、入院の調整がつかず自宅で死亡する人も出ました。

都は、入院患者を減らし調整をスムーズに行うためには、感染者を減らすことが最も重要だとして、感染防止対策への協力を強く呼びかけています。