茨城 大洗町の研究用原子炉 運転再開 新基準の審査に合格

10年余り運転を停止していた、茨城県大洗町にある新しいタイプの研究用原子炉の「高温ガス炉=HTTR」が、国の新しい規制基準の審査に合格したことなどを受けて30日に運転を再開しました。

平成10年に運転を始めた茨城県大洗町にある日本原子力研究開発機構の「HTTR」は、炉心の冷却にヘリウムガスを使い、核燃料を耐熱性の高いセラミックスで覆う新しいタイプの原子炉で、1000度近くの高温の状態で熱を取り出せることから、熱を効率的に利用した発電や水素の製造などが可能で、国のエネルギー基本計画に推進が盛り込まれています。

東日本大震災前の平成23年2月に定期検査のため運転を停止し、その後、国の新しい規制基準に基づく審査に合格し、火災対策などの工事を行って、30日に運転を再開しました。

30日は、午前11時すぎに中央制御室で運転員がボタンを操作して核分裂反応を抑える制御棒を引き抜く作業を行い、午後2時40分に核分裂反応が連続する「臨界」の状態となりました。

「HTTR」は、徐々に出力を上げて、ことしの9月下旬まで運転を行いながら、まず10年ぶりに稼働した設備の状況を検査します。

来年の1月からは、運転中のトラブルを想定して、制御棒や主要な冷却設備を使わずに出力や温度を下げるなど、安全性を検証する実証試験を行う計画です。

日本原子力研究開発機構高速炉・新型炉研究開発部門大洗研究所の根岸仁所長は「今後のエネルギー開発にむけ、高温ガス炉が期待されているなか、運転再開を果たすことができ感慨深く感じている。引き続き安全対策を最優先にして、慎重に対応していきたい」と話していました。