東大病院ICU 新型コロナ以外の患者受け入れ制限

新型コロナウイルスの感染の急拡大に伴って治療態勢がひっ迫しているとして、東京大学医学部附属病院では新型コロナ以外の患者についてのICU=集中治療室での受け入れを制限し始めたことを明らかにしました。

東京大学医学部附属病院のICUでは、このところ新型コロナウイルスの重症患者の治療に追われ病院内の中等症の病床もほぼ満床の状態が続いています。

救命救急センター・ERの土井研人准教授によりますと、ICUではこれまで高齢の患者が多かったということですが、今では自宅で療養していた40代や50代の人の体調が急変して救急搬送されてくる事例が増え、中には病院に到着したあと迅速に人工呼吸器を装着しなければ命に関わるようなケースも出ているということです。

新型コロナウイルスの患者の場合、初期対応の際の感染対策に多くの人手を要することなどから、病院では新型コロナ以外の患者の救急搬送や高度な技術を要する手術についてICUでの受け入れを制限し始めたことも明らかにしました。

東京大学医学部附属病院の瀬戸泰之病院長は「すでに年末年始の感染の第3波と同じ状況で、本来であれば助けられるはずの命を救えない、医療崩壊のような局面を迎えている」と危機感を訴えています。