コロナ感染の五輪関係者 宿泊療養施設から外出 “説得応じず”

新型コロナウイルスに感染したオリンピックの関係者2人が「検査を受けるため」と主張して、入所していた東京都の宿泊療養施設から外出していたことが、都への取材で分かりました。
検査を受けるための外出は認められておらず、都は「重ねて説得したが、納得してもらえなかったので、やむをえず認めた」としています。

都によりますと、オリンピックの関係者で感染が確認された人のうち、一部は都が確保した宿泊療養施設に入所しています。

このうち2人が29日に「PCR検査を受けるため」と主張して、外出したということです。

2人は、医療機関に行くための車の手配を自分たちで行い、その日のうちに宿泊療養施設に戻ってきたということです。

都の宿泊療養施設では、PCR検査を受けるために外出することは認めておらず、都によりますと、現場のスタッフが外出しないよう繰り返し説得したということです。

しかし、2人が納得しなかったため、最終的には外出を認めたということです。

都は「重ねて説得したが、納得してもらえなかったので、やむをえず認めた。通常の対応とは違うが、現場でできるかぎりのことはしたと考えている。今後同じようなケースがあった場合は認めない。大会組織委員会には入所する大会関係者に療養のルールや注意点を十分に説明するよう求めた」としています。

組織委も事案明らかに「本人に厳しく注意」

大会組織委員会は、新型コロナウイルスに感染した大会関係者が、療養していたホテルから外出する事案があったことを明らかにしました。

この関係者は、陽性判定に不満を持ち、再度検査を受けるために、ウイルスが拡散しないよう内部の気圧を低くできる「陰圧式」の車をホテルに呼び、医療機関に向かうため外出したということで、組織委員会は施設を抜け出したわけではないと説明しています。

ただ、みずからの判断で再び検査を受けて結果が変わったとしても、確定した陽性判定を覆すことはないということです。

組織委員会は「大会関係者の行為で、療養施設の管理者と保健所に迷惑をかけたことをおわび申し上げます。本人には厳しく注意をしており、今は深く反省していると聞いている」とコメントしています。