オリンピック【詳細】サッカーなでしこ 1-3 準々決勝で敗退

東京オリンピック、サッカー女子の日本は準々決勝でスウェーデンに1対3で敗れ、2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

予選リーグをグループEの3位で通過した世界ランキング10位の日本は、埼玉スタジアムで行われた準々決勝で世界5位のスウェーデンと対戦しました。

日本は前半7分、高さのあるスウェーデンにヘディングシュートを決められて先制を許しましたが、その後は細かくパスをつないでチャンスを作りました。

そして、前半23分に右サイド、長谷川唯選手からの低いクロスボールにゴール前に走り込んだ田中美南選手が合わせ、1対1の同点に追いつきました。
さらに前半30分すぎにはペナルティーエリアで田中選手が相手に倒されて主審が一度はペナルティーキックと判定しましたが、VAR=ビデオアシスタントレフェリーで確認した結果、ペナルティーキックは取り消され、同点で折り返しました。

迎えた後半8分、予選リーグで3得点しているスウェーデンのスティナ・ブラクステニウス選手にゴールを奪われると、23分にもペナルティーキックを決められて1対3とリードされました。

終盤は日本も反撃して杉田妃和選手や長谷川唯選手がゴールを狙いましたが、相手の守りを崩せず、1対3で敗れました。

日本は準々決勝敗退で、銀メダルを獲得した2012年のロンドン大会以来となる2大会ぶりのメダル獲得はなりませんでした。

なでしこ 最注目のスウェーデンに敗れる

準々決勝で日本が対戦したスウェーデンは今大会、最も注目を集めているチームでした。

スウェーデンは世界ランキング5位で、前回のリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得したチームです。

今大会では予選リーグ第1戦で世界1位のアメリカに3対0と圧勝。アメリカが持っていた44戦無敗の記録を止めたことで、さらに注目度を上げていました。その後もオーストラリアとニュージーランドを相手に連勝し、予選リーグを3戦全勝で突破しました。

スウェーデンはこれまで安定した守備が持ち味のチームでしたが、決定力に課題が残るとされていました。しかし、おととしのワールドカップフランス大会で若手の攻撃陣が急成長を遂げました。

特に右サイドからの速さを生かした攻撃を得意としていて、クロスボールにストライカーのスティナ・ブラクステニウス選手が合わせてゴールを奪う形で強豪を倒してきました。

日本の高倉麻子監督は、このサイドからの攻撃を防げるかどうかが勝利へのカギになるとしていて、サイドバックの選手にはクロスボールを上げさせない守備を求めていました。

そのうえで、キャプテンの熊谷紗希選手らセンターバックの選手たちがゴール前を固めて、ブラクステニウス選手らに自由にプレーさせずに失点を抑える狙いでした。

しかし、この試合、日本は前半、クロスボールから先制点を奪われると、後半にはブラクステニウス選手にサイドを突破されて決勝ゴールを決められてしまいました。
警戒していたはずの攻撃を封じることができず、日本の2大会ぶりのオリンピックは準々決勝で終わりました。

キャプテン熊谷「これが自分たちの実力」

キャプテンを務めた熊谷紗希選手は試合後「自分たちにできることは90分やったと思う。前半のうちに追いつけたことはチームの成長だと思う。ディフェンダーとしては3失点に責任を感じる」と悔しさをあらわにしていました。

また、今大会を振り返り「キャプテンとしてチームのために何ができたかわからないが、チームとしての力が世界の舞台ではまだまだ足りなかった。女子サッカーの未来のためにももっと高いところに行きたかったが、これが自分たちの実力だった。もっともっと成長しないといけない」と話していました。

岩渕「悔しさを次につなげたい」

10番を背負ったエースの岩渕真奈選手は「内容よりも結果がすべての世界なので、残念だが、やれることはやった」と涙ぐみながら振り返りました。

そして、今後の日本代表の課題について「世界に勝つには全員がどん欲に上を目指す環境を求めないと勝てない。女子サッカーが発展するためには日本代表が強くないといけないと思う。各個人がこの悔しさを次につなげていきたい」と話していました。

高倉監督「選手たちはよく戦った」

高倉麻子監督は世界ランキング5位のスウェーデンに敗れた試合について「非常に力のあるスウェーデンとの一発勝負なので、自分たちの武器で戦うという意味ではいい時間を作れたけど、スウェーデンがいいチームだったので及ばなかった」と振り返っていました。

そのうえで、準々決勝敗退に終わった今大会を振り返り「闘志が前面に出るチームではなかったが、選手たちの心の炎は燃えていたし、きょうも自分たちらしいサッカーをしてくれた。世界一を追いかける重圧は並大抵ではなかったと思う。選手たちはよく戦った」とねぎらっていました。

そして再び世界一になるという目標に向けては「自分たちの武器以上の何かを持たなければいけない。選手たちは努力をしてレベルアップしているが、それ以上に世界が進化している。まだまだ努力しないといけない」と課題を口にしました。

◇試合詳細◇

▽試合開始直前
日本とスウェーデン両チームの選手たちが、片方のひざを地面について人種差別への抗議を表明。

【前半】

▽午後7時
日本のキックオフで試合開始。

▽前半7分 日本0-1スウェーデン
スウェーデンが先制。左サイドのクロスボールにエリクソン選手がヘディングシュートで決めました。
▽前半12分
スウェーデンの強烈なシュートをゴールキーパー、山下選手が好セーブ。日本のピンチが続きます。

▽前半15分経過
スウェーデンに押し込まれる時間が続きます。前半15分でシュート数はスウェーデンの7本に対し、日本はありません。

▽前半23分 日本1-1スウェーデン
右サイドの長谷川選手からの低いクロスボールに、ゴール前で田中選手が右足で合わせました。田中選手は2試合連続ゴールです。
▽前半27分
右サイドバックの清水選手がミドルシュート。ゴールキーパーが正面でキャッチしました。日本が細かいパス回しでリズムをつかんでいます。
▽前半31分
日本は田中選手が倒されてペナルティーキックを獲得しました。しかし、VARで再確認した結果、判定が覆り、日本のペナルティーキックは認められませんでした。

▽前半38分
田中選手からゴール前の岩渕選手へスルーパス。しかし、シュートは打てませんでした。

▽前半38分
三浦選手にイエローカードが出されました。

▽前半45分経過
アディショナルタイムは1分。

▽前半終了 日本1-1スウェーデン
序盤は相手に押し込まれましたが、日本は右サイドから再三、チャンスを作って互角の戦いです。

【後半】

▽後半開始
両チームとも選手の交代はありません。

▽後半4分
右サイドバックの清水選手が後半最初のシュート。ゴールキーパーがキャッチしました。清水選手が積極的に攻撃参加しています。

▽後半8分 日本1-2スウェーデン
ゴール前でパスを受けたスウェーデンのブラクステニウス選手がゴール。
▽後半12分
ゴール前で田中選手がシュートを打ちましたが、ゴールキーパーの好セーブで同点ならず。

▽後半20分
日本のゴール前での三浦選手のプレーをVARで確認します。

▽後半22分
VARで確認した結果、三浦選手のハンドの判定でスウェーデンにペナルティーキックが与えられました。

▽後半23分 日本1-3スウェーデン
スウェーデンがペナルティーキックを決めました。
▽後半26分
ゴール前に田中選手が抜け出してチャンスを作りましたが、杉田選手のシュートは枠を外れました。
▽後半27分
三浦成美選手に代わって遠藤純選手が途中出場しました。

▽後半35分経過
日本は細かくパスをつないで攻めますが、守りを固めるスウェーデンを崩せません。

▽後半37分
長谷川唯選手に代わって、北村菜々美選手が途中出場しました。

▽後半41分
中島依美選手に代わって、林穂之香選手が途中出場しました。

▽後半45分経過
アディショナルタイムは5分。

▽試合終了
日本は1対3でスウェーデンに敗れました。

先発メンバー

【日本】
▽GK:山下杏也加
▽DF:清水梨紗/熊谷紗希(キャプテン)/南萌華選手/宮川麻都
▽MF:杉田妃和/中島依美/三浦成美/長谷川唯
▽FW:岩渕真奈/田中美南
世界ランキング10位の日本は27日に行われた予選リーグ第3戦でチリに勝ち、グループE・3位で準々決勝に進みました。

【スウェーデン】
▽GK:ヘードビグ・リンダール
▽DF:ハンナ・グラス/マグダレーナ・エリクソン/アマンダ・イルステッド/ナタリー・ビヨルン
▽MF:コソバレ・アスラニ/フィリパ・アンゲルダル/カロリーネ・セーゲル(キャプテン)
▽FW:ソフィーア・ヤコブソン/スティナ・ブラクステニウス/フリドリナ・ロルフォ