JR東日本 2年連続の赤字 感染拡大で鉄道利用者の落ち込み続く

JR東日本の先月までの3か月間の決算は、新型コロナウイルスの感染拡大で鉄道の利用者の落ち込みが続いていることから最終的な損益が769億円の赤字となりました。赤字幅は去年の同じ時期と比べほぼ半分に縮小しましたが、利用者の大幅な回復は見通せず厳しい状況が続いています。

JR東日本の4月から6月のグループ全体の決算は売り上げが去年の同じ時期に比べて30.2%増えて4333億円、最終的な損益が769億円の赤字でした。

赤字幅は去年の同じ時期の1553億円と比べるとほぼ半分となりましたが、第1四半期としては去年に続いて2年連続の赤字です。

新型コロナウイルスの感染拡大で東京などを対象にした緊急事態宣言によって鉄道の利用客の落ち込みが続き、鉄道収入はコロナ前と比べて半分余りの水準にとどまりました。

今後も利用者の大幅な回復は見通せない厳しい状況だとして、会社では安全に支障のない範囲で設備投資を先送りすることなどで今年度は700億円程度の経費を削減する計画で、今後追加の経費削減策も検討するとしています。

一方で、来年3月までの1年間の業績については最終的な利益が360億円の黒字というこれまでの予想を据え置きました。

このほか、JR西日本が320億円、JR東海が284億円の最終赤字となったうえ、いずれも今年度1年間の業績の見通しを下方修正するなど厳しい経営状況が続いています。