北朝鮮経済成長率 推定-4.5% 20年余で最大の減少幅 韓国分析

韓国の中央銀行は、去年の北朝鮮経済の成長率について、推定でマイナス4.5%とする分析結果を公表しました。新型コロナウイルスへの厳しい感染対策などが要因だとしていて、この20年余りで最も大きいマイナス幅です。

韓国の中央銀行・韓国銀行は、統一省などの資料に基づいて、北朝鮮のGDP=国内総生産の実質の伸び率を推定して毎年公表していて、去年の推定値が30日、公表されました。

それによりますと、去年の伸び率は、前の年と比べてマイナス4.5%となり、2年ぶりにマイナスに転じました。

これは、北朝鮮が厳しい食糧難に陥っていた1997年のマイナス6.5%に次いで、この20年余りで最も大きいマイナス幅で、産業別のマイナス幅は、鉱業が9.6%、農林水産業が7.6%、製造業が3.8%などとなっています。

また、韓国銀行は、北朝鮮が去年1年間に行った輸出入の額も公表し、総額は8億6000万ドル、日本円で940億円と、前の年と比べて70%余り減少したとしています。

韓国銀行の関係者は、国連安保理決議に基づく制裁措置に加えて、北朝鮮が新型コロナウイルスの感染対策で国境を封鎖し、貿易を厳しく制限したこと、それに台風などの自然災害が重なったことがマイナス成長の要因だという見方を示しています。