安倍前首相「不起訴不当」検察審査会 「桜を見る会」懇親会で
「桜を見る会」の前日夜に開催された懇親会をめぐり、安倍前総理大臣側が費用の一部を負担したのは有権者への違法な寄付で公職選挙法に違反する疑いがあるなどとして、安倍氏が告発され不起訴になったことについて、東京の検察審査会は、十分な捜査が尽くされていないなどとして「不起訴は不当だ」と議決し、30日公表しました。
これを受けて東京地検特捜部は再捜査を行い、改めて、起訴するかどうか判断することになります。
「桜を見る会」の前日夜に開かれた懇親会をめぐっては、主催した政治団体「安倍晋三後援会」の代表だった元公設第1秘書が、おととしまでの4年間の政治資金収支報告書に合わせておよそ3000万円の収支を記載しなかったとして、去年12月、政治資金規正法違反の罪で略式起訴され、罰金100万円の略式命令を受けました。
一方、安倍前総理大臣は嫌疑不十分で不起訴になりました。
この問題では、安倍氏側が懇親会の費用の一部を負担したのは有権者への違法な寄付で、公職選挙法に違反する疑いがあるとして安倍氏らが告発されましたが、特捜部は「懇親会の参加者に寄付を受けたという認識があったと認めるだけの証拠は得られなかった」などとして不起訴にしました。
これについて東京の第1検察審査会は安倍氏と元公設第1秘書について「不起訴は不当だ」と議決し、30日公表しました。
議決の中で、審査会は「一部の参加者の供述だけで参加者全体について寄付を受けた認識がないと判断したのは不十分と言わざるをえない。安倍氏や秘書らの供述だけでなく、メールなどの客観資料も入手したうえで犯意を認定するべきで、不起訴の判断には納得がいかない」と指摘しています。
また、審査会は、実際に費用の一部を負担した安倍氏の資金管理団体の収支報告書に収支の記載がないのは、政治資金規正法に違反する疑いがあるとして安倍氏と団体の会計責任者が告発され、不起訴になったことについても「不起訴不当」と議決しました。
安倍氏については、会計責任者の選任や監督で注意を怠っていた疑いについて捜査すべきだとしています。
一方、元公設第1秘書が略式起訴された政治資金規正法違反の事件については、検察審査会は「不起訴は相当だ」と議決しました。
議決文の最後に審査会は「政治家はもとより総理大臣であった者が秘書がやったことだと言って関知しないという姿勢は国民感情として納得できない。国民の代表者であるという自覚を持ち、清廉潔白な政治活動を行い、疑義が生じた際にはきちんと説明責任を果たすべきだ」と指摘しています。
「不起訴不当」と議決された容疑について、東京地検特捜部は再捜査を行い、改めて、起訴するかどうか判断することになります。
仮に検察が再び不起訴にすれば、検察審査会の2回目の審査は行われず捜査が終わることになります。
安倍前首相「当局の対応を静かに見守りたい」
そのうえで、記者団が「議決の内容をどのように知ったのか」と質問したのに対し、「つい先ほど報道によって知った」と述べました。
懇親会費用の一部負担 安倍氏の説明
申立人弁護士「今ある証拠の中では最大限の判断してもらえた」
そのうえで、「安倍氏の『秘書がやったことで知らなかった』という発言について、検察審査会は『国民感情として納得できない』と書いた。安倍氏はこの議決を受け止めて、国会でみずから釈明をし、議員辞職してほしい」と話していました。