厚生労働白書“多様な働き方支えるセーフティーネット検討を”

ことしの厚生労働白書は、新型コロナウイルスの感染拡大で、非正規やフリーランスで働く人に影響が目立ったなどとして、多様な働き方を支えるセーフティーネットを検討する必要があると指摘しています。

30日の閣議で報告された、ことしの厚生労働白書は「新型コロナウイルスと社会保障」をテーマに、感染拡大が国民生活に与えた影響を分析し、政府のこれまでの対応や今後の課題をまとめています。

この中では、感染拡大で、非正規で働く人の雇用が大きく失われ、特に女性でその傾向が顕著だったとしているほか、企業と雇用契約を結ばないフリーランスで働く人についても、収入が減るなどの影響を受けた人が目立ったとして、多様な働き方を支えるセーフティーネットを検討する必要があるとしています。

また、外出の自粛で家族と過ごす時間が増える中で、DV=ドメスティック・バイオレンスの昨年度の相談件数が前の年に比べおよそ1.6倍に増えたとしたうえで、誰にも相談できずに孤立している人もいるとして、支援の必要性を指摘しています。

さらに、医療・福祉については、新たな感染症の発生に備えて、医療機関どうしの連携や役割分担などを検討し、危機に強い医療体制を構築することが求められているとしています。