感染拡大のインドネシア 外国人の退避相次ぐ

変異ウイルスの感染が拡大しているインドネシアでは、感染者が連日、数万人に上り、現地で暮らす外国人の退避が相次いでいます。

インドネシアでは今月に入って、連日3万人から5万人の新たな感染者が確認されているほか、27日には一日で2069人が死亡し、一日の死者の数としては世界最悪となりました。

これを受けて、現地で暮らす外国人の間では退避の動きが本格化しています。

首都ジャカルタ近郊のスカルノ・ハッタ国際空港によりますと、インドネシアから出国する外国人の数は、ことし1月から5月にかけては毎月1万人台でしたが、先月2万人を超え、今月も29日の時点で2万215人に上るということです。

また、今月出国した外国人のうち最も多いのは日本人の3320人で、日本人以外では中国人や韓国人、それにアメリカ人の出国が多いということです。

現地の日本大使館によりますと、インドネシアでは、先月から今月にかけて1か月で13人の日本人が感染によって亡くなったということで、現地で暮らす日本人の間で不安が強まっています。

退避指示が出た日本人駐在員「どの便も満席」

首都ジャカルタにある日系の物流会社の駐在員、奥津聡さんは、今月16日に日本の本社から退避の指示が出たということです。

NHKの取材に対して奥津さんは「すぐに帰国便の手配をしたがどの便も満席で、8月下旬の航空券しか取れなかった」と話していました。

一方、日本でも一日の感染者が1万人を超えるなど感染が拡大している状況については「家族からも連絡があり、日本の感染状況を注視している。ただ医療体制はインドネシアより日本のほうがいいと思う」と話していました。

さらに、来月日本に帰国したあと再びインドネシアに戻る見通しについては「毎日4万人前後も感染者が確認され、感染拡大がいつになったら収まるのか分からず不安だ。インドネシアの医療体制がある程度改善しないかぎり、戻れないだろう」と話していました。