オリンピック男子マラソン代表 大迫傑 今大会で現役引退の意向

東京オリンピック、男子マラソンの日本代表で、前の日本記録保持者の大迫傑選手が、8月8日のオリンピックのマラソンをもって現役を引退する意向を明らかにしました。

「東京を自分自身の競技人生の最高のゴールにするため」

大迫選手は29日、動画投稿サイト「YouTube」の自身のチャンネルに動画を掲載し、この中で「陸上選手、マラソンランナーとしてのゴールを8月8日に決めました」と述べ、8月8日のオリンピックのマラソンをもって現役を引退する意向を明らかにしました。

最後のレースとする理由について、大迫選手は「東京を自分自身の競技人生の最高のゴールにするためです。2013年に大会が決まってから東京を目標にし、最高の舞台にするために自分の100パーセントを注ぎ込んできました。次があるという言い訳を強制的になくしたくて、この大会をゴールにしました」と話しています。

そして「このレースで終わりなんだと決めたいま、自分の持てるすべての力が出せる気がしています」と、オリンピックを前にした心境を明かしています。

大迫選手の最後のマラソンとなる東京オリンピックの男子マラソンは、8月8日の午前7時から札幌市の札幌大通公園を発着するコースで行われます。

動画で語った“現役引退表明”の全文

陸上選手、マラソンランナーとしてのゴールを8月8日に決めました

それは東京を自分自身の競技人生の最高のゴールにするためです。

2013年に大会が決まってから東京を目標にしてきました。

最高の舞台にするために自分の100パーセントを注ぎ込んできました。

次がという言い訳を強制的になくしたくて、この大会をゴールにしました

このレースで終わりなんだと決めたいま、自分の持てるすべての力が出せる気がしています。

東京をゴールに決めて、これが自分の最後のマラソンになるんだと考えて、ふと今の瞬間に改めて立ち返ってみると、風のにおいだったり 雨のおと、練習中の筋肉の張りだったり、着地したときの感覚だとか すごく繊細に感じてすごく大切に思えて、ゴールまでそういうことを大切にして走りきりたいと思いました。

マラソンで2時間5分台のタイムを2回出す

大迫選手は東京都出身の30歳。日本選手で初めて2時間5分台のタイムを出した、日本マラソン界のエースです。

長野県の佐久長聖高校では全国高校駅伝で区間賞を獲得して初優勝を果たし、早稲田大学でも1年生から箱根駅伝などで活躍しました。

大学卒業後は実業団に進みましたが、2015年にプロ選手としてアメリカに渡り、2016年のリオデジャネイロオリンピックには1万メートルと5000メートルで出場しました。

マラソン初挑戦となった2017年のボストンマラソンで3位、福岡国際マラソンでも3位と、いずれも伝統ある大会で好成績を収め、2018年のシカゴマラソンで日本選手初の2時間5分台となる2時間5分50秒の日本新記録をマークしました。

2019年に行われた東京オリンピックの代表選考レース、MGC=マラソングランドチャンピオンシップでは3位に終わったものの、去年の東京マラソンで再び日本記録を更新する2時間5分29秒のタイムを出して、東京オリンピックの代表に内定しました。

その後、日本記録は鈴木健吾選手に塗り替えられたものの、2時間5分台のタイムを2回出した日本選手は大迫選手だけです。

勝負への強いこだわりの一方で冷静なレース運びも特長で、東京オリンピックでは日本の男子選手として1992年のバルセロナ大会以来となるマラソンでのメダル獲得を目指しています。