オリンピック 体操 新エース 橋本大輝の次なる目標は

体操の男子個人総合を制した橋本大輝選手。
この1年で急成長した19歳が、6種目すべてをこなす個人総合を重視してきた体操ニッポンの伝統を受け継ぎました。
世界王者たちを退けて金メダルを獲得した新エースは、すでに次の目標を見据えていました。

28日の個人総合決勝。橋本選手は最初の種目のゆか、さらに続くあん馬を大きなミスなく乗りきり、2種目を終えた時点でトップに立ちました。

しかし、3種目めのつり輪で予定していた技が認定されずに13点台にとどまりました。
さらに続く跳馬でも着地が乱れ、2017年の世界選手権を制した中国の肖若騰選手や、2019年の世界王者、ロシアオリンピック委員会のニキータ・ナゴルニー選手などに次ぐ4位で、5種目めの平行棒に入りました。
流れが悪くなりかけていましたが、この平行棒で美しい倒立や姿勢のぶれない技を次々と決めて、15.300の高得点をマーク。再び勢いを取り戻しました。
平行棒はもともと得意種目ではありませんでしたが、去年の冬、一から徹底的に技の美しさを磨いて、計算できる種目に引き上げ、大舞台のプレッシャーのかかる場面でその成果を発揮しました。

この時点で、トップの肖選手に0.467の差の3位となり、得意の鉄棒に臨みました。
橋本選手は「ミスなくいけば金メダルはある。でも、メダルの色ではなく記憶に残る演技をしよう」との思いで演技に臨み、14.933の得点で、肖選手などを逆転して優勝を果たしました。
6種目で争う個人総合を重視してきた「体操ニッポン」にとって、この種目は加藤澤男さんや具志堅幸司さんらに次ぐオリンピック7つ目の金メダルで、ロンドン大会、リオデジャネイロ大会の内村航平選手に続く日本勢3連覇となりました。

体操ニッポンのエースとしての一歩を踏み出した橋本選手ですが、競技後、ある悔しさを口にしました。

「やっぱり、団体で金メダルをとりたかった」

かつて内村選手は「団体の金メダルより重いメダルはない」と、体操ニッポンにとって何よりも尊い勲章だと語りました。
水鳥寿思監督も「きょうの橋本選手は、これから日本を背負って立つ、世界の中で最強のオールラウンダーになった瞬間だった」とたたえたうえで「胸を張って新しい体操ニッポンが始まるんだといえる。5位だった北園選手とともに、団体でも世界最強のチームになっていくのではないかと、わくわくしている」と、団体を引っ張っていくことへの期待も示しました。

内村選手にかわるエースとして、新たにかかってくる重圧や苦しみを乗り越え、橋本選手がどこまで日本を押し上げていくかが注目されます。