東京都 新型コロナ 3177人感染確認 2日連続で過去最多

東京都は28日、都内で新型コロナウイルスの感染が確認された人は初めて3000人を超えて3177人だったと発表しました。都内では27日、それまでで最も多い2848人の感染が確認されていて、これで2日連続で過去最多を更新しました。

3177人は1週間前の水曜日より1345人増えていて、感染の急速な拡大が止まらない事態になっています。

28日までの7日間平均は1954.7人で、前の週の153.0%となりました。

7日間平均は第3波のことし1月11日を上回り、過去最多です。

一方、都の基準で集計した28日時点の重症の患者は27日より2人減って80人でした。

専門家「ピーク見えず これ以上広がることもありえる」

東京都で28日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された人が3000人を超え過去最多となったことについて、厚生労働省の専門家会合のメンバーで国際医療福祉大学の和田耕治教授は「4連休明けで受診した人が集中したこともあるとみられるが、デルタ株への置き換わりで感染の広がりが早いうえにワクチン接種が進む中で接種していない人の間にも安心感が広がってしまったことや、五輪などで高揚感が高まっていることが原因ではないか。これまでは緊急事態宣言を出すと2週間で感染者数が減る傾向が見られたが、デルタ株は従来のウイルスよりもおよそ2倍感染が広がりやすいとされ、感染者数が減るのにも時間がかかるとみられる。多くの人がまだ免疫を持っていない中ではピークが見えていない状態でこれ以上、広がることもありえる」と話していました。

一方で、現在の第5波では重症者が少なく、まだ医療への圧迫は大きくなっていないという声があることについて「感染者数が多くなれば必要な治療が行き届かなくなるおそれがあり注意が必要だ。病床は増やしているもののこれから重症になる人も出てくるはずで、ワクチン接種の体制を維持しながら治療に当たる医療従事者を確保することが難しくなってくる。交通事故や熱中症などふだんなら当然受けられる医療が受けられなくなる可能性がある」と指摘しました。

そのうえで和田教授は今後必要な対策について「東京などではこれまでの1年半の中で感染のリスクがもっとも高くなっていると思う。オリンピックをやっているのになぜ自分の行動を制限されるのかと疑問に思う人もいるかもしれないが、自分自身や周りの人を守るためにも、今は少人数であっても人と会う機会を減らすことが重要だ」と話していました。

小池知事「第3波のピーク時とは状況異なる」

東京都内で新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続いていることに関連し、小池知事はオリンピックを取材する報道機関向けに配信した映像で「第3波のピーク時と比べ、重症化しやすい60代以上の割合が減っている。第3波の時とは状況が異なると認識している」と述べました。

都内では感染確認が27日、2800人を超えて最多になったのに続いて、28日は初めて3000人を超え、2日連続で最多を更新していて感染の急速な拡大が止まらない事態になっています。

こうした中、小池知事は「第3波のピーク時と比べるとワクチン接種が加速した。重症化しやすい60代以上の割合が減っている。今後の重症者数の動向を注視していく必要があるが、第3波の時とは状況が異なると認識している」と述べました。

そのうえで「デルタ株の影響を考えると、若者や中高年の世代にどうやってワクチンを早く行き渡らせるかが重要だ」と強調しました。

そして「ワクチン接種の効果が感染者数の減少として表れるまで引き続き、不要不急の外出を自粛し家でオリンピックを応援してもらい、マスク着用、こまめな手洗い、感染しない、させないことをお願いしていく」と述べました。

小池知事「不要不急の外出を控えて」

また、小池知事は新型コロナウイルスの新たな感染確認が発表されるおよそ15分前の午後4時半ごろ都庁で記者団の取材に応じました。

記者団が「きょうは新たな感染確認が3000人を超えるという報道があるが、どのような報告を受けているか」と質問したのに対し、小池知事は「皆さん、ぜひ不要不急の外出を控えてください。きょうも東商・東京商工会議所の三村会頭にテレワークの徹底をお願いした。このように皆さんの力を得て感染を抑え込んでいきたいと思う。よろしくお願いしたい」と述べました。

加藤官房長官「連携とり必要な対応を図る」

加藤官房長官は午後の記者会見で「東京都の感染状況はきのうも過去最多となり、増加が続いている状況で、きのう関係閣僚も集まって感染状況などに関する認識を共有化したところだ。厚生労働省の専門家会合も開催されており、こうした評価や分析なども踏まえ東京都ともよく連携をとりながら必要な対応を図っていきたい」と述べました。