オリンピック 競泳 大橋悠依 2つ目の「金」 200m個人メドレー

東京オリンピック、競泳の女子200メートル個人メドレー決勝で、大橋悠依選手が2分8秒52でフィニッシュし、今大会2つ目の金メダルを獲得しました。

女子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した大橋選手は、28日行われた女子200メートル個人メドレーの決勝に出場しました。

大橋選手は最初のバタフライで5番手につけると、続く得意の背泳ぎで一気に2番手まで順位を上げて、平泳ぎもそのままトップ争いを続けました。

最後の自由形は激しい競り合いになりましたが、タッチの差でかわし、金メダルを獲得しました。タイムは2分8秒52でした。

日本の女子選手では夏のオリンピックで初めて、1つの大会で2つの金メダルを獲得しました。

銀メダルはアメリカのアレックス・ウォルシュ選手、銅メダルはアメリカのケイト・ダグラス選手でした。

“女子初の2冠 うれしい”

大橋選手はレース後「正直すごい接戦になると思っていて、その中で金メダルはどうかと思っていたが、なんとかふんばれた。最後は勝っても負けても何も後悔がないと言えるように泳いでいて、それがよかったかなと思います。女子で2冠は初めてなので、うれしいです」と笑顔で話していました。

また「きのう寺村美穂選手が『私の分まで頑張って』と声をかけてくれて、そうした存在に助けられて泳ぐことができました。大舞台で自分の泳ぎができたことは自信になるし、いろんな人にたくさん迷惑をかけてきたけれど、すこしは返せたかなと思う」と話していました。

このあとの会見で、大橋選手は「正直全然実感がなくて、本当に自分がやったことなのかなという感じです」と笑顔を見せました。

2つの金メダルを獲得できた要因について聞かれると「大会前、不調が続いていたことで、本番をあまり意識することなくオリンピックに来られたのがよかったのかなと思います」としたうえで、決勝のレースについては「先に本多選手がメダルをとってくれたので、それも自分にエンジンをかけるひとつの出来事でした」と、チームメートの活躍が刺激になったと話していました。

1大会で2つの金メダル獲得 夏の大会で日本女子初

大橋選手が1大会で2つ目の金メダル獲得という、夏のオリンピックでは日本女子初の快挙を成し遂げました。
競泳では2008年北京大会の北島康介さん以来です。

自国開催の今大会、苦戦が続いた日本競泳陣の中で、大橋選手の泳ぎは自信がみなぎっていました。27日に行われた準決勝のレース、世界ランキング3位で好調を維持しているアメリカのアレックス・ウォルシュ選手が序盤から仕掛けても、大橋選手は慌てません。「メダルをとっているからこその気持ちの余裕もあった」と自分のペースを貫き、全体5位で決勝進出を決めました。

経験豊富な平井伯昌監督も「自然体で来られている」と手応えを感じる内容でした。初めてのオリンピックにもかかわらず「この舞台に慣れてきたところがある」と話す大橋選手の表情は、日本チームの柱としての自覚を感じさせるものでした。

2017年に初めて代表入りし、世界選手権で銀メダルを獲得した大橋選手。中学生や高校生から頭角を現す選手が多い競泳界で、“遅咲きのスイマー”として一躍、脚光を浴びました。
一方で本人は「遅咲きという感覚はあまりない。自分よりも4つとか5つも年下の子たちが世界の舞台で戦っているところをみても、違う生き物だという認識だった」と、慌てずに自分自身と向き合ってきました。
持ち味の伸びやかな泳ぎを「力を入れて進むスポーツではない。いちばんの目標は自然体」とひたすら磨いてきました。

競泳日本の女子のエースとして臨んだ今大会も、開幕直前まで調子が上がらず、決して万全の状態ではありませんでしたが、自身のペースを貫いて、女子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得すると、2種目めの200メートル個人メドレーは「思い切ったレースをする」と宣言し、そのとおりの泳ぎを結果につなげました。

ここいちばんの大舞台で力を発揮した大橋選手が、日本チームを鼓舞する2つめのメダル獲得を果たしました。

平井監督 “康介以来と聞くとすごくうれしい”

大橋選手を指導する日本代表の平井伯昌監督は「すでに金メダルをとっている余裕から、自信を持って臨めていた。予選から決勝まで、思うような泳ぎができていたが、ふだんどおりや、予定どおり行うということはすごく難しいことで、それが当たり前にできているのは並大抵のことではない」と手放しで褒めていました。

夏のオリンピックで大会2冠は、かつて平井監督が指導していた北島康介さん以来の快挙となることについては「2冠は全く意識していなかったが、康介以来と聞くとすごくうれしい。感無量です」と話していました。