柔道 永瀬に敗れ銀のモラエイ 信念貫くため国籍変え大会に

東京オリンピックの5日目、柔道男子81キロ級の決勝で日本の永瀬貴規選手に敗れたモンゴルのサイード・モラエイ選手は、柔道家としての信念を貫くため国籍を変えて今大会に臨みました。

29歳のモラエイ選手はもともとイランの出身で、2018年の柔道の世界選手権にはイラン代表として出場し、金メダルを獲得しました。

しかし、2019年に東京で行われた世界選手権で、イラン政府などから政治的に敵対するイスラエルの選手との対戦を避けるため、試合を棄権するよう繰り返し圧力を受けたと訴えていました。

その後、IJF=国際柔道連盟の協力のもとドイツに渡り、難民選手団のメンバーとして出場した大会もありましたが、モンゴル国籍を取得し、今大会にはモンゴル代表として出場しました。

モラエイ選手は初戦でカザフスタンの選手に一本勝ち、3回戦はアゼルバイジャンの選手に延長で技ありを奪って優勢勝ち、準々決勝ではジョージアの選手に合わせ技一本で勝ちました。

そして、準決勝ではオーストリアの選手相手に気迫あふれる動きを見せ、得意の肩車などで技あり2つを奪って合わせ技一本で勝ち、決勝に進みました。

日本の永瀬選手との決勝では延長で技ありを奪われ銀メダルに終わりましたが、試合後は永瀬選手の手を取って高く掲げ、勝者をたたえるなど、畳の上で力を出し切った満足感にあふれていました。

モラエイ「メダルは両親にも」

イランからモンゴルに国籍を変え銀メダルを獲得したサイード・モラエイ選手は「日本武道館では2年前に負け、練習を積んで戻ってきた。その間、たくさんの問題があり両親に会えなかった。このメダルはまず自分に、次に両親にささげたい」と話しました。

モラエイ選手は、イラン政府からイスラエルの選手と対戦を避けるよう圧力をかけられたと訴えていて「イスラエルの選手と対戦したかったか」という質問に対しては「試合のチャンスがあったものの実現できなかったが彼と戦いたい。いつか一緒に柔道をしたいし楽しみにしている」と話していました。