「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界文化遺産に登録

ユネスコの世界遺産委員会は、北海道と青森県、岩手県、それに秋田県に点在する「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界文化遺産に登録しました。

新たな世界遺産を決めるユネスコ=国連教育科学文化機関の世界遺産委員会は、日本時間の27日午後6時半ごろからオンライン形式で審議を行い「北海道・北東北の縄文遺跡群」を、新たに世界文化遺産に登録しました。
「北海道・北東北の縄文遺跡群」は、北海道と青森県、岩手県、秋田県に点在する17の縄文時代の遺跡で構成され、青森市の「三内丸山遺跡」や秋田県鹿角市の「大湯環状列石」などが含まれています。

国は、狩猟や採集、漁を基盤に人々が定住して集落が発展し、1万年以上続いた縄文時代の生活や精神文化を現代に伝えるもので普遍的な価値があるとして、世界文化遺産への登録を目指してきました。

国内の世界文化遺産はこれで20件目になります。

青森 三村知事「歴史的な喜びの瞬間迎えられうれしく思う」

「北海道・北東北の縄文遺跡群」のうち、もっとも多くの遺跡がある青森県では三村知事らが世界遺産委員会の審議の様子をインターネット中継で見守りました。

青森市の特設会場には三村知事など関係者およそ40人が集まり、午後7時前に登録が決まると、大きな拍手が上がりました。

「北海道・北東北の縄文遺跡群」は北海道と青森県、岩手県、秋田県に点在する17の遺跡で構成され、青森県内には最も多い8つの遺跡があります。

三村知事は「耐えて耐えて耐えて、ついに世界文化遺産にたどりついた。歴史的な喜びの瞬間を皆さんと迎えることができたのをうれしく思う。4道県の皆さんが力を合わせて目標を達成できたかけがえのない遺産をしっかり守っていきたい」と述べました。

そして、参加者たちがくす玉を割って登録を祝ったあと、特産のリンゴジュースで乾杯していました。

北海道 鈴木知事「長年の悲願 皆さんと喜びたい」

北海道の鈴木知事は、世界文化遺産への登録の実現に向けて活動してきた団体の関係者らと、道庁内で審議の様子を見守りました。

そして、登録が決まると拍手をして、集まった人たちと喜びを分かち合いました。

会場には、くす玉も用意され、鈴木知事らがひもを引っ張って割ると、大きな拍手に包まれました。

このあと鈴木知事は記者団に対し、「世界文化遺産への登録は長年の悲願だったので、皆さんとともに喜びたい。まずは国の内外に、北海道の宝、世界の宝を知ってもらうため、多言語で動画を作成して発信するとともに、関係自治体と連携して将来、多くの人に訪れてもらうための方策を検討したい」と述べました。

北海道千歳市でも歓喜 山口市長「待ちに待った瞬間」

縄文遺跡群を構成する遺跡のうち「キウス周堤墓群」がある北海道千歳市では、市長や市民団体のメンバーがユネスコの審議の様子をオンラインで見守り、世界文化遺産に登録された瞬間、大きな拍手が起きていました。

千歳市役所に設けられた会場には山口幸太郎市長や市民団体のメンバーなどおよそ20人が集まり、審議の様子をオンラインで見守りました。

そして、世界文化遺産として登録されると、会場からは大きな拍手と歓声が起きていました。

市内にある「キウス周堤墓群」は、円形に掘った地面にいくつもの墓が作られているおよそ3300年前の墓地群で、最大のものは外側の直径が83メートルにも及び、縄文人の高い精神性を示す遺跡とされています。

山口市長は「待ちに待った瞬間を皆様と一緒に分かち合えて、本当にうれしく思う。登録された意味をしっかりかみしめて保存に努めるとともに、多くの人に見てもらえるよう努めていく」と述べました。

また、市民でつくる「キウス周堤墓群を守り活かす会」の大江晃己会長は「北海道の遺跡が1つも欠けずに登録されたことが本当によかった。今後は、訪れた人にどのように楽しんでもらうか、市の協力も得ながら考えていきたい」と話していました。

萩生田文部科学相談話「後世に引き継ぎ、価値を発信」

萩生田文部科学大臣は談話を発表し「関係者には引き続き、遺産の保存・活用に地域社会一体となって取り組んでほしい。文部科学省としても、人類の共通の宝である世界遺産の保護に万全を期して後世に確実に引き継ぎ、その価値を積極的に発信していく」としています。

菅首相「多岐にわたる遺跡 われわれのルーツ今に伝える」

菅総理大臣は、総理大臣官邸のホームページにビデオメッセージを掲載し「心からうれしく思う。多くの皆様のご尽力に深く感謝申し上げ、貴重な遺跡を守ってこられた関係者の皆様に心から敬意を表する」としています。

そのうえで「農耕が始まる前にもかかわらず、人々が定住し、大規模な集落で生活を営み、祭しが行われていた、1万年以上の長期間にわたって続いた世界的にも極めて珍しい生活の痕跡が残っている。貝塚、ストーンサークル、周堤墓など、多岐にわたる遺跡は、われわれのルーツでもある縄文時代の豊かな文化を今に伝えている。世界的に価値ある遺跡群の魅力をしっかりと守って次世代に引き継ぎ、世界に向けて魅力を発信していきたい」としています。