“1万年かかる計算を数分で行う”コンピューター 神奈川に設置

アメリカの大手コンピューターメーカーIBMが開発し、企業が利用できる量子コンピューターが、アジアでは初めて神奈川県に設置され、東京大学が中心となって企業の利用方法を検討する取り組みを進めていくことになりました。

神奈川県川崎市の施設に設置されたのは、アメリカのIBMが開発した、「Quantum System One」と名付けられた、ゲート型と呼ばれる最新の量子コンピューターで、アメリカ以外に設置されるのはドイツに次いで2例目で、アジアでは初めてになります。

27日は、稼働の開始にともなって量子コンピューターが報道陣に公開され、関係者が集まって記念のセレモニーが開かれました。

振動などを抑えた特殊な部屋に設置された量子コンピューターは、高さと幅、それに奥行きがそれぞれ、およそ3メートルの立方体の形をしていて、正面の筒の中に量子コンピューターの心臓部となるプロセッサーが格納され、マイナス270度余りに冷やして計算を行います。

量子コンピューターは、スーパーコンピューターで1万年かかる計算を数分で行う能力があるとされ、次世代の戦略物資として開発と応用の重要性が指摘されていて、この量子コンピューターは、東京大学が使用権を持って、量子コンピューターの実用化を目指してきた団体に加盟する国内の金融機関や自動車メーカー、それに化学メーカーなどと共同で使いながら、利用方法を検討する取り組みを進めていくことになっています。

東京大学の藤井輝夫総長は「実機が日本で稼働することで、関係者間で情報の共有が進み、成果の創出を加速することが期待できる」と話していました。