オリンピック 水谷・伊藤ぺア 卓球で初の金メダル

東京オリンピック、卓球の新種目、混合ダブルスの決勝で日本の水谷隼選手と伊藤美誠選手のペアが中国のペアにゲームカウント4対3で勝って金メダルを獲得しました。日本が卓球で金メダルを獲得したのは初めてです。

水谷選手と伊藤選手のペアが26日夜、東京体育館で行われた決勝で対戦したのは、おととしの世界選手権で金メダルを獲得した中国の許※キン選手と劉詩※ブン選手のペアでした。

序盤は相手の力強い攻めに押され2ゲームを先取されましたが、静岡県磐田市の同じ卓球クラブ出身の2人は徐々に息の合ったプレーを見せるようになり、伊藤選手の強烈なフォアハンドや水谷選手の多彩なショットで反撃して3ゲームを連取し、ゲームカウント3対2とリードしました。

しかし、第6ゲームは中国ペアが粘りを見せて取り返し、3対3で並びました。

最終第7ゲーム、水谷選手と伊藤選手はいきなり8連続ポイントを奪うなど積極的に仕掛けて11対6でこのゲームを取り、ゲームカウント4対3で勝って金メダルを獲得しました。

日本が卓球で金メダルを獲得したのは初めてです。
水谷選手は、フルゲームまでもつれこんだ試合を振り返って「2ゲームを先取されたときは本当に流れが悪くなってしまったが、3ゲーム目をとれたことで僕らのチームに流れが来た。相手に気持ちで全く負けていなかったし、僕たちの方が勢いに乗っていたので、最終ゲームも絶対勝てるという自信をもって臨むことができた」と力強く話していました。
そのうえで、不戦勝を除いて過去1回も勝ったことがなかった中国ペアを破って、自身4回目のオリンピックにして初めての金メダルを獲得したことについて「中国には今までオリンピックでも世界選手権でも何度も何度も負けてきたが、この東京オリンピックで今までのすべてのリベンジができた。卓球を始めた頃からこの金メダルを目標にずっとやってきたので27年越しの夢をかなえることができて本当に幸せだ」と喜びをかみしめながら話していました。

伊藤選手は最終ゲームまでもつれた決勝について、「ゲームカウントが3対3になって最初から思い切って最後まで1本ずつ取ろうという気持ちでいけた。自分たちのペースだったと思う」と振り返りました。
そして、これまで不戦勝をのぞいて初めて中国ペアに勝ったことについては、「すごくうれしい。最後まであきらめずにできたので楽しかった」と笑顔で話していました。
同じ静岡県磐田市出身の水谷選手とペアを組んだことについて、「これほどいい雰囲気になるとは、という感じだ。たくさんの人が練習に付きあってくれて、自分たちが成長した瞬間をたくさん見ることができた」と話していました。
そして首にかけた金メダルについて「結構重いがうれしい重みだし、もっとうれしい重みを増やしたい。女子シングルスと団体もあるので、あすから目の前の1戦に集中して戦っていきたい」とすでに次の試合を見据えていました。

敗れた中国ペア「チームのみんなに申し訳ない」

決勝で日本ペアに敗れた中国の許選手は、「第3ゲーム以降、日本のペアが強い気持ちで迷わず戦っていたのに対し、私たちはそれに対応できず、どんどんプレッシャーが高まってしまった。最終ゲームでは防戦一方になってしまった」と言葉を絞り出すようにして敗因を分析していました。

また劉選手は「負けてしまって中国チームのみんなに申し訳ない」と涙をこぼしながら話したうえで「今大会最初の種目だったけれど他の選手たちにはあまり影響は出ないと思う。私たちはこの敗戦という試練を乗り越えて、次の試合に集中できると信じている」と話していました。

同じ卓球クラブ出身

東京オリンピック、卓球の新種目、混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼選手と伊藤美誠選手はともに静岡県磐田市出身で同じ卓球クラブ出身です。
変幻自在なプレーで果敢に攻める伊藤選手と経験豊富でどんなボールにも対応できる安定感のある水谷選手は抜群のコンビネーションを誇ります。

初めてペアを組んで出場したのはおととし7月の国際大会で、それ以降、世界の舞台で優勝や準優勝など安定した成績を残し、世界ランキング2位で東京オリンピックを迎えました。

今大会はドイツのペアと対戦した準々決勝でフルゲームにもつれ、最終の第7ゲームは6対10とマッチポイントを握られる絶体絶命のピンチに追い込まれましたが、土壇場で経験豊富な水谷選手が冷静なプレーや声かけで伊藤選手を鼓舞し、驚異の粘りで逆転勝ちをおさめました。

続く準決勝では、伊藤選手が男子選手のボールに力負けしない強烈なショットを見せて終盤は台湾ペアを圧倒して決勝に進みました。

決勝の相手の中国の許※キン選手と劉詩※ブン選手のペアとは相手の欠場による不戦勝を除いてこれまでに4回対戦し、1回も勝ったことがありませんでした。

それでも水谷選手は「今までのリベンジを果たしたいし、皆さんに奇跡をお見せしたい」と話し、伊藤選手も「自分たちらしい力を出し切って勝ちに行く」と宣言し、オリンピックという大舞台で有言実行の打倒・中国を果たし、日本卓球界初の金メダルを獲得しました。

(※キンは「日」に「斤」。※ブンは「雨」の下に「文」)