オリンピック テニス 錦織圭 男子シングルス 初戦勝利

東京オリンピック、テニスの男子シングルスの1回戦で、世界ランキング69位の錦織圭選手は世界7位でロシアオリンピック委員会のアンドレイ・ルブレフ選手にセットカウント2対0のストレートで勝ち、初戦突破を果たしました。

錦織選手は立ち上がりからサービスエースを決め、安定したリターンでリズムをつくると、第4ゲームでブレークします。

その後、サービスゲームを奪われるも再びブレークし、第1セットを6-3で取りました。

続く第2セットではお互いのサービスゲームをキープし合う展開でしたが、第7ゲームのブレークに成功し、第2セットを6-4で取って、セットカウント2対0のストレート勝ちで2回戦進出を決めました。

錦織選手がトップ10の選手を破ったのは3年前の2018年11月以来で、オリンピックの男子シングルスでは3大会連続で初戦を突破しました。

錦織選手は2回戦で世界64位でアメリカのマルコス・ギロン選手と対戦します。

錦織「すごく落ち着いて いい試合ができた」

錦織選手は「すごく落ち着いて、久しぶりにいい試合ができたと自分でも驚いています。自分の打つプレーを心がけ、いろいろなショットを混ぜながら打つことができた。サーブをはじめとして全部よかったです」と話していました。

また、夕方の試合となったことについては「気温が高いと頭が働かなくなって自分との戦いになるので、楽しんで落ち着いてプレーできる気温で助かりました」と話していました。

さらに錦織選手は「コートの感覚がすごくよかった。夕方の時間帯で練習をしていなかったので、日中の暑い中でのプレーと変わるのかなと思っていたが、逆に感覚が良くなったというか、すごく球が吸い付いてくるというか。ミスがほとんど無かったのが久しぶりで本当に懐かしい感覚でオリンピックにあわせてこのレベルのプレーができたのは自分でもびっくりしています」と笑顔で話していました。

そして、2018年11月以来、およそ3年ぶりにトップテンの選手を破ったことについて「ずっとトップテンに勝てずに悩んでいたところもあったが、吹っ切れたと思う」と話し、手応えを感じていました。

勝利を支えた強力なスタッフの存在が

男子シングルス初戦で世界ランキング7位、ロシアオリンピック委員会のアンドレイ・ルブレフ選手に勝利した錦織圭選手。

トップテンの選手を破ったのは2018年11月以来、実に3年ぶりです。

その勝利の裏には錦織選手の出身地、島根県の隣、鳥取県から駆けつけたストリンガー、玉川裕康さん(44)の存在がありました。
ストリンガーとは選手のラケットにストリングを張る担当者のことで、鳥取市内のテニスショップを営む玉川さんは、2008年の北京オリンピックで大会の公式ストリンガーとして採用されたことをきっかけに、四大大会などの世界大会にも活躍の場を広げています。

その玉川さんと錦織選手との出会いは20年ほど前にさかのぼります。
当時、小学4年生の錦織選手が通っていた松江市のテニススクールと、大学生だった玉川さんがコーチを務めていた鳥取市のテニススクールが交流していたことをきっかけに2人は知り合いました。
お互いを「たまちゃん」、「けい」と呼び合う仲で玉川さんは国内大会を転戦する錦織選手の練習相手を務め、一緒のホテルに泊まるなどして親交を深めていきました。

その後、地元・鳥取市でテニスショップの経営をはじめストリンガーとして反発力にムラが出ないよう均一に張り上げる高い技術力が評価されていった玉川さん。一方、戦いの場を世界に移していった錦織選手。

同じテニスでもそれぞれ活躍の場が異なっていた2人は北京オリンピックでタッグを組み、ともに挑むオリンピックは今回の東京大会で4大会目となりました。

そして25日に行われた男子シングルスの初戦。第1セットの中盤、玉川さんにストリングの張りの強さを変更する依頼が入りました。

玉川さんはプレーに間に合うよう迅速かつ緻密な手さばきで、要求に応じてわずかに張りの強さを変え、13分程で張り上げ、ラケットは錦織選手の元へ届けられました。試合後、錦織選手はこのときの要求について「試行錯誤しながら調整していた」として暑さに伴うボールの反発力やコートの状況などをみて、張りの強さの変更を求めたと明かしました。

張り上がったばかりのラケットで錦織選手はその後、鋭いリターンと精度の高いフォアハンドで試合の主導権を握り、ストレートで勝ちました。東京オリンピックの出場を決めた際、リオデジャネイロ大会の銅メダルを上回る結果を目指したいと話していた錦織選手。

みずからの技術をいかし錦織選手とともにさらなる高みを目指したいという玉川さん。4回目のオリンピックで2人の挑戦は続きます。