女子49キロ級の山田美諭選手(27)は、初めてのオリンピックで格上の相手を破って、3位決定戦まで進みましたが、惜しくもメダル獲得はなりませんでした。
山田選手は全日本選手権で優勝8回と日本の軽量級の第一人者ですが、オリンピック出場には縁がありませんでした。
前回のリオデジャネイロ大会は、代表選考会で右膝のじん帯を断裂する大けがをして願いはかないませんでした。その後のリハビリでは1年を棒に振りました。
一時は引退も考えましたが「自分が表彰台に立つことを意識し、勝つことだけを考えてやっていく」と気持ちを切り替え、稽古を重ねてきました。
山田選手の世界ランキングは42位。初出場のオリンピックで1回戦の相手は、世界ランキング26位の台湾の選手でしたが、緊張からか山田選手の表情には明らかに硬さがうかがえました。
攻撃のリズムを作れず、終盤までリードを許しましたが、残り40秒のところで胴への蹴りを決めて逆転に成功し、初戦を突破しました。
続く準々決勝では世界4位の韓国の選手に対し、得意の前蹴りを次々に決めました。終わってみれば16対7と大差をつけて、試合を制しました。
準決勝では世界1位のタイの選手に力の差を見せられましたが、高得点となる頭部への蹴りを決めるなどして意地を見せました。
3位決定戦の相手はセルビアの世界2位で、リオデジャネイロ大会の銀メダリストでした。
山田選手は序盤から積極的に仕掛けて胴への蹴りを決め、先にポイントを奪いました。
その後は互角の展開で第1ラウンドを5対5の同点で終えます。
しかし、その後は相手の連続攻撃を止められずポイントの差を大きく広げられました。
テコンドーの日本選手として初めて準決勝に進んだ山田選手は「実力的に私が下だったので、挑戦者として思い切り戦えた。しかし、途中で感情的になり、いい判断ができなかった」と振り返りました。
山田選手は2000年シドニー大会の岡本依子さん以来で5大会ぶりとなるメダル獲得が期待されましたが、惜しくも届きませんでした。

五輪 テコンドー女子49キロ級 山田美諭は銅メダルならず
東京オリンピック、テコンドー女子49キロ級の3位決定戦で、山田美諭選手はセルビアの選手に敗れ銅メダル獲得はなりませんでした。
千葉市の幕張メッセで行われているテコンドー女子49キロ級、山田美諭選手はテコンドーの日本選手では初めて準決勝に進みました。
準決勝で山田選手は、世界ランキング1位のタイの選手に敗れ、敗者復活戦を勝ち上がった選手と対戦する3位決定戦に回りました。
3位決定戦ではリオデジャネイロ大会で銀メダルを獲得したセルビアの選手を相手に次第にリードを広げられて、最後は6対20で敗れました。
金メダルはタイのパニパク・ウオンパタナキット選手、銀メダルはスペインのアドリアナ・セレソ・イグレシアス選手、銅メダルはセルビアのティヤナ・ボクダノビッチ選手とイスラエルのアビシャグ・センベルグ選手でした。