オリンピック 柔道女子 渡名喜 銀メダル 今大会日本初のメダル

東京オリンピック柔道女子48キロ級で渡名喜風南選手が銀メダルを獲得しました。今大会、日本にとって最初のメダルです。

初めてオリンピックに出場した渡名喜選手は初戦の2回戦と、続く準々決勝を一本勝ちして準決勝に進みました。

準決勝では最大のライバルでおととしの世界選手権の決勝で敗れたウクライナのダリア・ビロディド選手と対戦しました。渡名喜選手は、手足の長い相手に組み手争いで苦しんで攻めあぐね、試合は延長戦にもつれ込みました。

その後も攻め続けて迎えた延長3分ごろ、得意の寝技に持ち込み、横四方固めで一本勝ちし、決勝に進みました。

決勝はコソボのディストリア・クラスニチ選手との対戦となり、得意の足技や寝技を積極的に仕掛けますが、相手の攻撃に苦しめられました。

そして、残り20秒を切って内股を決められ、技ありを奪われて敗れ銀メダルでした。今大会、日本にとって最初のメダルとなりました。

柔道女子48キロ級、金メダルはコソボのディストリア・クラスニチ選手、銅メダルはウクライナのダリア・ビロディド選手とモンゴルのウランツェツェグ・ムンフバット選手でした。

渡名喜「自分の弱さが最後に出た」

銀メダルを獲得した渡名喜風南選手は「自分の弱さが最後に出てしまった。この負けを認めていきたい」と涙ながらに話したうえで「ここまでコロナ禍の中で、たくさんの人がサポートしてくれた。感謝したいです」と話していました。

初出場の舞台で日本の最初のメダル

柔道競技のトップバッターとして挑んだ渡名喜風南選手は目標の金メダルにこそ届かなかったものの、初出場の舞台で今大会、日本にとって最初のメダルをもたらしました。

渡名喜選手にとって夢だったオリンピックが明確な目標に変わったのは前回、2016年のリオデジャネイロ大会。
同学年の近藤亜美選手が銅メダルを獲得した時でした。
練習で組んでいた同い年の選手の大舞台での活躍を目にして、「私も」と思ったのがきっかけでした。

ライバルに勝ってオリンピックに出場するためには何が必要なのか。
考え抜いた結果、「1つ1つの大会で安定して勝つこと」をテーマに掲げました。
これまで試合のたびにけがをしたことが多かったため、他種目のトップ選手が通うトレーニング施設と契約。

体幹を中心にしたメニューに本格的に取り組むことで、けがをしにくい体を手に入れ、大会ごとに技術面の見直しに時間を割けるようになりました。

東京大会への代表選考が始まった2017年から世界選手権では3大会連続で決勝に進み、安定した戦いで代表争いを大きくリードしました。

しかし、オリンピックでの頂点を目指すにあたって立ちはだかる存在となったのは、ウクライナのダリア・ビロディド選手でした。
2018年から2年続けて世界選手権の決勝で敗れました。
身長1メートル48センチとこの階級でも小柄な渡名喜選手が20センチ以上背の高いライバルに勝つための最大の課題は組み手で、相手に持たせる前に自分主導でいかに先に持って組み勝つかが求められました。

身長が高い選手を狙って、階級が4つか5つ上の選手とも稽古を積んできました。
ことし1月の国際大会では4連敗中だったビロディド選手に初めて勝利し、上背のある相手や、腕力がある海外の選手に対し一定の自信をつかんでオリンピック本番を迎えました。

日本柔道のトップバッターとして勢いをつける役割が求められた競技初日。
渡名喜選手は「先陣という意味では私がいいスタートを切りたい。でも私の試合なのでマイペースに自分のやるべきことをやっていきたい」と臨みました。

ことばどおりに初戦の2回戦から危なげない試合運びで勝ち上がった渡名喜選手。
そして「世界一、オリンピックの金メダルにあたっては、絶対倒さないといけない相手」という最大のライバル、ビロディド選手を準決勝で打ち破りました。

ところが決勝で惜しくも敗戦。

金メダルが目標だった渡名喜選手にとっては悔いの残る銀メダルとはいえ、今大会、日本にとって最初のメダルをもたらしました。

「嬉しい」「努力の結晶」渋谷では喜びの声

柔道女子48キロ級で渡名喜風南選手が今大会、日本にとって最初のメダルとなる銀メダルを獲得したことを受け、東京 渋谷区では喜びの声が聞かれました。

横浜市の10代の女性は「とてもすごいことで努力の結晶であり、すばらしいと思います。銀メダルでもすごいことだと思いますし、日本選手の金メダルへの期待もますます高まりました」と話していました。

千葉県の21歳の男性は「初日でメダルをとれたのはすごいですし、順調ではないかなと思います。ほかの競技でも選手のみなさんに頑張ってもらってメダルをとってもらいたい」と話していました。

20代の会社員の男性は「私も柔道をやっていたので日本人選手からメダルが出るのは嬉しいです。コロナ禍のオリンピックで選手たちがどのような結果を残してくれるか楽しみです」と話していました。

銅のビロディド「渡名喜はよく準備してきたと思う」

渡名喜風南選手に準決勝で敗れ銅メダルだったウクライナのダリア・ビロディド選手は「私の夢は金メダルを取ることだった。銅や銀じゃない」と悔しさをこらえきれない様子で涙を流していましたが「それでもメダル無しで会場を出るのとメダルを取って出るのとでは全然違うので感謝したい」と話していました。

渡名喜選手に敗れた試合については「彼女はよく準備してきたと思う。最初はいい流れだったが、ある瞬間から流れが彼女のほうに行ってしまった。何がきっかけだったかわからないので試合を見返して考えたい」と振り返りました。

次のオリンピックについては「すごく疲れたので今すぐには考えられないが、もちろん出たいです」と話していました。

渡名喜のメダルで500個に

日本は東京オリンピックの前までに、1920年のアントワープ大会から2018年のピョンチャン大会まで金・銀・銅合わせて499個のメダルを獲得していました。

24日、柔道女子48キロ級で渡名喜選手が銀メダルを獲得したことで、これまでに日本がオリンピックで獲得したメダルの数は、ちょうど500個になりました。