オリンピック テコンドー男子 鈴木セルヒオ 1回戦敗れる

東京オリンピック・テコンドー男子58キロ級で、鈴木セルヒオ選手は1回戦で敗れ、日本のテコンドー男子として初のメダル獲得はなりませんでした。

千葉市の幕張メッセで行われたテコンドー男子58キロ級は、日本のテコンドー男子として初のメダル獲得を目指す初出場の鈴木セルヒオ選手が1回戦でエチオピアの選手と対戦しました。

鈴木選手は第1ラウンドから、相手に突きや蹴りを次々と決められ、0対17と大きくリードされます。

第2ラウンドでは、左の中段への蹴りを繰り出し2ポイントを奪いましたが、このラウンド終了時に2対22と20ポイント差をつけられ敗れました。

また、このエチオピアの選手が次の試合で敗れ、敗者復活戦に回ることはできませんでした。

鈴木選手は、「結果を受け止めて胸を張りたい」と話していました。

金メダルを獲得したのはイタリアのビト・デッラクイラ選手、銀メダルはチュニジアのムハマド・ハリル・ジェンドゥビ選手、銅メダルは韓国のチャン・ジュン選手と、ロシアオリンピック委員会のミハイル・アルタモノフ選手でした。

兄弟でメダル獲得の夢かなわず 弟に思い託す

日本人の父親とボリビア人の母親を持つ鈴木セルヒオ選手(26)。
68キロ級に出場する5つ下の大学3年生、リカルド選手とともに、初めてのオリンピックに臨みました。

延期となったことに戸惑いや焦りを感じたアスリートも少なくありません。
こうした中、セルヒオ選手は違いました。「自分が弟を引っ張らないといけない。弟の存在が最大のモチベーションだった」と、弟への思いを心の強い支えにしてきました。

新型コロナウイルスの影響で、兄弟はともに所属先での稽古ができない時期もありました。
それでも兄は弟を励まし続けました。「1年延びたけど頑張ろう」これは自身へのことばであったのかもしれません。
兄弟は自宅に器具をそろえて一緒に基礎練習やスパーリングをして、二人三脚で高め合ってきました。

大会が1年延期される中で、セルヒオ選手は新たな武器を身につけました。
得点が高い「回転蹴り」です。
「試合でも自信持って出せる」というレベルまで磨き上げてきました。

セルヒオ選手の目標は“兄弟でメダルをとる”こと。
きょうの本番には「先にメダルをとる。おまえもこっちに来い」という気持ちで臨みました。

ところが、本番では「思うように体が動かなかった」と回転蹴りを決められず、1回戦でエチオピアの選手に敗れました。

試合後、弟のリカルド選手について質問が及ぶと、せきを切ったかのように涙があふれ「弱いところを見せず、全力でサポートしていきたい」と声を振り絞りました。

兄弟でのメダル獲得という夢はかないませんでしたが、セルヒオ選手は弟に、自分の悔しい思いを託します。