五輪開幕 “応援は自宅で 県境を越えた移動控えて”

東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地では、多くの人でにぎわう様子が見られますが、専門家は、首都圏を中心に広がる新型コロナウイルスの感染が全国各地に拡大することを防ぐため、オリンピックは自宅で楽しむとともに、県境を越えた移動をできるだけ控えるよう求めています。

東京都などを中心に各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続き、22日、全国の感染者はことし5月以来2か月ぶりに5000人を超えました。

23日は、東京オリンピックの開会式が行われる国立競技場の周辺や各地の行楽地でも人出が多くなっていて、さらなる感染拡大が懸念されています。

政府の分科会の尾身茂会長は今月16日、東京などで拡大する感染が各地に広がるのを防ぐため、4連休や夏休み、お盆、東京オリンピック・パラリンピックなど、人出が増える機会が集中するこれからの2か月間が「感染対策における山場だ」として、対策の徹底を求める談話を出しています。

談話では、東京オリンピックについて、応援は自宅で行い、広場や路上、飲食店などでの大人数の応援を控えることや、ふだん会わない人との会食や大人数や長時間に及ぶ会食を控えるよう訴えています。

また、県境を越える移動をできるだけ控え、帰省先の高齢者がすでに2回のワクチン接種を済ませている場合でも、帰省の2週間前から感染予防対策を十分に行ったうえで会うよう求めています。

政府分科会のメンバーで東邦大学の舘田一博教授は「オリンピックが始まり、スタジアムの周りでたくさんの人が集まっている様子を見ると、連休でもあるし、外に出てもいいんじゃないかというメッセージが伝わってしまう。非常に厳しい感染状況につながってしまう可能性が高まっている。医療現場でのひっ迫の度合いが高まっていることを考えて、もうしばらく我慢してほしい。オリンピックは家で、いつもいる人と応援し、県境を越える移動をなるべく控えてほしい」と訴えました。