感染抑制していたシンガポールで感染者増加 3人以上の外出禁止

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻になっている東南アジアの中で、感染を抑え込んでいたシンガポールで集団感染が相次ぎ、シンガポール政府は3人以上での外出を禁止する厳しい行動制限を始めました。

東南アジアでは、インドネシアやタイ、それにマレーシアなどで連日、1万人を超える新規感染者が確認され、病床や酸素の不足などで医療体制がひっ迫しています。

こうした中、1日の感染者数が数十人ほどと感染を比較的抑え込んでいたシンガポールでも、ナイトクラブや生鮮市場などで集団感染が相次ぎ、新規感染者数は19日に100人を超え、20日には195人、21日には181人が確認されました。

このため、シンガポール政府は22日から3人以上での外出や店内での飲食を禁止する厳しい行動制限を始めました。

当局が監視を強めるシンガポールの中心部では、家族や友人と2人だけで歩く市民の姿が見られ、街全体が閑散としています。

通行人の女性は「政府が対策を強化したのはいいことで、状況は改善されると思う」と話し、男性は「ワクチンの接種が進んでいるので、すぐに国を開くことができるでしょう」と、制限の早期解除に期待を示していました。

シンガポールでは、新型コロナワクチンを2回接種した人の割合が人口のおよそ50%と世界的にも高い水準となっていますが、感染力が強いとされる変異ウイルスのデルタ株が拡大していることから、政府は警戒を強めています。