オリンピック ソフトボール 2連勝は「上野のために」が原動力

東京オリンピックのソフトボール、日本は22日の第2戦もエースの上野由岐子投手が2日連続で先発。チームメートの“上野投手のために”という思いが、延長8回3対2のサヨナラ勝ちにつながりました。

上野 39歳の誕生日

上野投手は22日が39歳の誕生日でした。
「誕生日なので、いけるところまで上野に投げさせよう」という宇津木麗華監督の考えのもと、上野投手は7回途中を2点に抑え、チームは福島での2試合を連勝で終えました。
上野投手
「最後までふんばれなかったのが心残り。7回は麗華監督も『大丈夫?』みたいな感じだったが、誕生日だから7回も任せてくれたのだと思う。その後も後藤投手が抑えて、逆転してくれて、自分以上にチームにとって大きな1戦となった」

藤田 ねらっていた“バースデーアーチ”

チーム最年長の上野投手はソフトボール界への恩返しのため、金メダルを目指していますが、チームメートは上野投手のためにプレーすることが大きな原動力になっています。
投打の二刀流、藤田倭選手は宿舎から球場に向かう22日のバスの中での上野投手との会話を明かしました。

藤田選手
「バスの中で『39歳だね~』と会話してて、『上野さんにさん・きゅーと言われるように頑張ります』と言っていたんです」
そして「上野投手のためのバースデーアーチをねらっていた」と2試合連続となる先制のソロホームランを打ちました。藤田選手は、上野投手と一緒にプレーしてピッチングの極意を学ぼうと今シーズン移籍して所属チームが同じになりました。
上野投手と一緒に戦うオリンピックは今回が最後かもしれないという思いが、さらなるモチベーションになっています。

藤田選手
「この姿を目に焼き付けておきたいという思いとともに戦えることはうれしい。上野さんが投げていたら『なんとかしてあげたい』『打ってあげたい』と人一倍思うのは上野さんと自分の絆なのかなと思う」

後藤 “勝ちをプレゼンしたかった”

上野投手のためにという思いが好結果につながった選手がもう1人います。2対2の7回途中から登板したチーム最年少の20歳、後藤希友投手です。
国際大会の経験がほとんどない後藤投手にとって7回と延長8回のピンチはプレッシャーがかかる場面でしたが、バッター8人と対戦して5つの三振を奪う堂々のピッチングを見せました。
後藤投手
「上野さんの誕生日に必ず勝ちをプレゼントしたいという強い気持ちを持っていたのでとにかく集中できていた。きょうの場面は1点も取られていけない状況だとわかっていたので、上野さんからバトンを受けてしっかり零点に抑えたかった」

上野の存在 チームを成長させる

宇津木監督は、頼もしい後藤投手の姿を北京オリンピックの時の若かりし上野投手に重ねて見たといいます。
宇津木麗華監督
「最後の最後、ここで負けられないという大事な場面での後藤のピッチングは、昔の上野のように見えてきて、そういう場面で出していずれ日本を背負っていけるピッチャーにしていきたい。きょうのピッチングは私が褒めなくても周りもみんながわかるいいピッチングだった」
宇津木監督はことし3月、代表選手を発表した会見で「上野を中心としたチーム」と言っていましたが、大黒柱の存在はチーム全体を成長させる役割も担っています。