“比較的重い症状で入院の若者増” 都内の医療機関 警戒強める

新型コロナウイルスの感染が広がるなか、都内の医療機関では症状が比較的、重い状態で入院する若い世代が増えていて、警戒を強めています。

東京 北区の「東京北医療センター」は新型コロナの専用病床を30床確保し、主に中等症の患者を受け入れています。

22日時点で専用病床に24人が入院していて、このうち10才未満が1人、10代が1人、20代が6人、30代が4人、40代が3人、50代が3人と若い世代が75%を占めています。

患者の多くが、肺炎が悪化して酸素吸入が必要だったり高熱が何日間も続いたりするなど症状が比較的、重い状態で運ばれてくるということです。

また、退院の基準のひとつである10日間を過ぎても症状が治まらない人も多く、医療スタッフの負担感が増しているといいます。

さらに、感染者の増加は救急医療の現場でも見え始めています。

この病院では新型コロナに感染した疑いで救急搬送されてくるケースは先月は1日1件ほどでしたが、今月は多い日で8件となっていて、なかにはほかの医療機関から受け入れを断られたケースや区外から運ばれてくるケースもあるということです。

今後、感染がさらに拡大し入院が必要な患者が増えれば一気に病床がひっ迫して救える命も救えなくなるおそれがあると警戒を強めています。
東京北医療センターの宮崎国久医師は「入院する人の年齢層が若くなっている印象で、高齢者のワクチン接種が進んでいる効果は実感している。一方で、若い人で入院が必要なケースというのはある程度、症状が重いということになり、当院のように中等症を中心にみている病院の負担が増えるのではないかと懸念している。医療がひっ迫すると治療を受けられずに若い人でも重症化して死に至るおそれがあるし、救急や通常の診療に影響が出てくることが心配だ」と話しています。