英リバプール 世界遺産登録 取り消し ユネスコ世界遺産委員会

ユネスコの世界遺産委員会は、世界遺産として登録していたイギリスのリバプールについて、港湾地区の開発計画が進められ、普遍的な価値が失われたとして、登録を取り消しました。

イギリス中部のリバプールは、18世紀から19世紀にかけて世界の主要な貿易拠点として発展し、当時の港湾施設などが残る地区が2004年に世界遺産に登録されました。

しかし、9年前から港湾地区で大型の開発計画が進められてきたことから、世界遺産委員会は21日、世界遺産の登録を取り消すかどうか投票を行い、賛成13、反対5で登録を取り消しました。

世界遺産委員会は決定の理由について、開発計画によってリバプールが持つ普遍的な価値が、取り返しがつかないほど失われたとしています。

世界遺産の登録が取り消されるのは、ドイツ東部の古都ドレスデンとエルベ川流域などに続いて、3件目です。

決定を受けてリバプールのアンダーソン市長は、失望しているとしたうえで「空っぽのままの港湾地区の方がいいというユネスコの姿勢は理解しがたい」と批判しました。

イギリスの地元メディアは、世界遺産であるために地域の開発が進められないのであれば必要ないという意見の一方で、登録が取り消されることで開発が加速し、景観がさらに損なわれるのではないかという懸念の声を伝えていて、歴史的な景観の保護と開発を両立させることの難しさが改めて示されたかたちです。