4月の「超過死亡」 19都道府県で増加 コロナ感染拡大の影響か

新型コロナウイルスに関連する死者が見逃されていないかを調べるため、厚生労働省の研究班が全国の死亡者数の推移を「超過死亡」という手法で分析したところ、ことし4月、19都道府県で統計学的な推計よりも多くの死者が出ていたことが分かりました。専門家は「新型コロナの感染拡大が影響した可能性もある」としています。

この分析は国立感染症研究所などで作る厚生労働省の研究班が行い、21日に開かれた厚生労働省の専門家会合で示されました。

感染症の流行では、間接的な影響で死亡するケースがあることから研究班では、統計的に推計される死者数を実際の死者数がどれだけ上回ったかを調べる「超過死亡」と呼ばれる手法で分析を行いました。

その結果、流行の第4波で新型コロナウイルスの感染者数が急増していたことし4月、全国の19都道府県で過去4年の同じ月よりも多くの「超過死亡」が出ていたということです。

このうち、大阪府についてはことし4月の「超過死亡」は268人から586人で、去年の同じ月の8人から170人を大きく上回ったほか、兵庫県は103人から304人となっていました。

また、東京都でも4月に186人から459人の「超過死亡」がみられたということです。

研究班では、すべての死因を含んだ分析のため、さらに詳細に死因を調べる必要があるとしています。

国立感染所研究所の所長で厚生労働省の専門家会合の脇田隆字座長は、「断定はできないが、大阪府などの状況をみれば新型コロナの感染拡大が影響した可能性がある」と話していました。