津波避難呼びかける「津波フラッグ」導入自治体30%にとどまる

22日は「海の日」です。本格的な夏休みシーズンを迎え、海水浴に出かける人もいると思いますが、海にいる人に旗を振って津波からの避難を呼びかける「津波フラッグ」について、気象庁の調査で、導入している自治体がおよそ30%にとどまっていることが分かりました。

気象庁は自治体やライフセーバーの団体などと協力して、フラッグの周知や旗を振る人手の確保を進めることにしています。

「津波フラッグ」は長方形に赤と白の格子模様が描かれた旗で、津波警報や注意報が発表された際、海水浴場のライフセーバーなどが旗を振ったり掲示したりして海にいる人に速やかな避難を呼びかけます。

津波の避難は一刻を争うことから、海岸の近くにいる人や聴覚障害のある人などにすぐに情報を伝える手段として去年から運用が始まりました。

気象庁が海水浴場のある全国の421の市町村を調査したところ、「『津波フラッグ』を活用している、または、活用の準備をしている」と回答した自治体は114と全体の27%でした。

「活用している、または準備している」と回答した自治体を都道府県別に見ると、神奈川県が13と最も多く、静岡県が9、岩手県が7、千葉県が6などとなっていて、1つの自治体も「導入を予定していない」と回答したところは大阪府と京都府でした。

導入が進まない背景について気象庁は、小規模な海水浴場やライフセーバーが常駐していない場所では、「津波フラッグ」を振る人の確保が難しいためだとしています。

気象庁は「津波フラッグのガイドラインなどを自治体に紹介しながら普及に向けた取り組みを進めるとともに、日本ライフセービング協会と連携して、人手の確保を進めていきたい」としています。

神奈川県 海水浴場がある全自治体で導入

湘南や三浦半島など全国有数の海水浴場で知られる神奈川県は、海水浴場があるすべての自治体で「津波フラッグ」が導入されています。

背景には以前から県内で独自に進めてきた「オレンジフラッグ」と呼ばれる取り組みがあります。

「オレンジフラッグ」は津波警報や大津波警報が発表された際、海水浴場のライフセーバーや周辺施設の職員などが、オレンジ色の旗を振って海にいる人に津波からの避難を呼びかける取り組みです。

10年前の東日本大震災では、鎌倉市の海岸でサーフショップの経営者がレース用の旗を振って津波の危険を知らせたことがきっかけとなり、県内で広く普及しました。

神奈川県ではこの取り組みを生かして、旗を「オレンジ」から「紅白」に置き換え運用しているということです。

神奈川県の担当者は「地元のマリンスポーツ連盟と連携して普及を進め、海水浴場がある県内すべての自治体で、誰が旗を振るか事前に決めていたことから、『津波フラッグ』の導入を円滑に進めることができた」と話していました。