米国務副長官 25日から訪中へ 首脳会談実現に向け環境整備か

アメリカ国務省は、外交分野のナンバーツーのシャーマン国務副長官が、今月25日から中国を訪問すると発表しました。米中の対立が続く中、バイデン大統領と習近平国家主席による初の対面での首脳会談の実現に向けて、環境整備を進めるねらいもあると見られます。

アメリカ国務省の発表によりますと、シャーマン国務副長官は今月25日から26日の日程で中国を訪問し、天津で王毅外相と会談するということです。

バイデン政権発足後、国務副長官が中国を訪問するのは初めてです。

会談について、国務省は「中国の行動について、われわれが深刻な懸念を抱いている分野や、われわれの利益が一致している分野について意見を交わすことになる」としています。

バイデン政権は、影響力を増す中国を「最大の競合国」と位置づけていて、外交を通じて南シナ海や人権の問題などで中国に対し行動の変化を促すとともに、気候変動対策の分野などでは協力を取り付けたい考えです。

ただ、米中間ではことし3月にアメリカのアラスカ州で外交トップどうしの会談が行われたものの、双方の主張が真っ向から対立し、その後も冷え込んだ関係が続いています。

シャーマン副長官の訪問には、対話の機運を盛り上げ、バイデン大統領と習近平国家主席による初の対面での首脳会談をこの秋にも実現させることを目指し、環境整備を進めるねらいもあると見られます。

米専門家「秋のG20での首脳会談実現に向けた一連の準備」

アメリカにあるシンクタンク、ジャーマン・マーシャル・ファンドの中国の専門家、ボニー・グレイザー氏はシャーマン国務副長官の中国訪問について「ことし秋のG20サミットの際に、バイデン大統領と習近平国家主席による会談を実現させることに向けた一連の準備の始まりだろう」と分析しています。

また「今回のシャーマン副長官の訪問に続いて、ブリンケン国務長官と王毅外相による会談を行うことも議論されている」と指摘しました。

その上でグレイザー氏は「こうした一連のやり取りは、両国の間で進展が見込める分野や、優先すべき課題を明確にすることにある」と述べました。

そして「アメリカ側として優先順位が高いのは、危機下における連絡手段やリスクを軽減するためのメカニズムの構築だ。この機会に、米中の首脳どうしを結ぶホットラインの機能を強化したり、定期化したりするかもしれない」と述べ、米中間での意図しない衝突を回避するためのメカニズムの構築が会談のねらいの1つになるという見方を示しました。