最低賃金 東京都は目安どおり28円引上げへ 10月から適用見通し

現在、時給1013円の東京都の最低賃金について、労使の代表などでつくる労働局の審議会は、国の審議会が示した目安のとおり28円引き上げて、時給1041円とする答申を行いました。新しい最低賃金はことし10月から適用される見通しです。

最低賃金は企業が労働者に最低限支払わなければならない賃金で、厚生労働省の審議会は今年度、すべての都道府県で一律に28円引き上げる目安を示しました。

この目安をもとに現在、全国で最も高い時給1013円の東京都の最低賃金について、労使の代表などが参加する東京労働局の審議会が議論を行いました。

その結果、非正規雇用で働く人などの待遇改善が求められることや、経済情勢は産業全体では回復がみられることなどから、目安のとおり28円引き上げて時給1041円とする案をまとめました。

しかし、企業側の委員が「観光や飲食業などを中心に極めて厳しい状況で到底容認できない」と反対し、採決が行われた結果、企業側の委員6人全員が退席や棄権をしましたが、賛成多数で引き上げの案は認められ、審議会は答申を行いました。

28円の引き上げは2年前の2019年度と同じ引き上げ額です。

東京労働局が来月5日まで異議申し立てを受け付けたあと、時給1041円の新しい最低賃金はことし10月から適用される見通しです。

東京地方最低賃金審議会の都留康会長は「使用者側から引き上げへの強い懸念があったが、コロナ禍で大きな影響を受け、最低賃金に近い水準で働く非正規雇用の人たちの生活安定のために引き上げは必要だと考えた」と話していました。

厚生労働省によりますと、今年度の最低賃金について都道府県で引き上げ額の答申が行われたのは東京都が初めてです。

業績が悪化した企業などから大幅な引き上げに反対の意見が相次ぐ中、ほかの地域でどのような判断が示されるのか注目されます。