オリンピック サッカー女子イギリス代表など 人種差別へ抗議

サッカー女子の日本代表、「なでしこジャパン」と同じグループEのイギリス代表は、チリ代表との予選リーグの開始前に片方のひざを地面について人種差別への抗議を表明しました。

東京オリンピックのサッカー女子の予選リーグは、23日の開会式に先立って21日から始まり、日本と同じグループEのイギリスはチリと対戦しました。

試合前にはイギリスの選手たちが片方のひざを地面について人種差別への抗議を表明し、チリの選手や審判も片方のひざをついていました。

オリンピック憲章は競技会場などでデモや政治、宗教、人種に関する宣伝活動を禁止していて、1968年のメキシコ大会では黒人差別への抗議として表彰台で拳をあげたアメリカの選手が大会から追放された例があります。

しかし、東京大会ではこの一部が緩和されることが決まりこれを受けてイギリス代表は試合前に抗議を表明することを事前に決めていました。

試合では前半17分にイギリスのエレン・ホワイト選手がクロスボールから味方が折り返したこぼれ球を押し込み先制しました。さらにホワイト選手は後半にもボレーシュートで2点目を奪い、イギリスがそのまま2対0で勝ちました。

試合後、イギリス代表のキャプテンのステフ・ホートン選手は開始前に片方のひざを地面について人種差別への抗議を表明したことについて「みんなで差別を受ける人をサポートしないといけない。チリの選手もひざをついたことは本当に誇りに思った。私たちの意思が彼らにも通じ、 こうした気持ちがどんどん強くなっていくと感じた。多くのチームが同じようしてほしい」と話しました。

そのうえで次の日本戦に向けては「今夜の日本とカナダとの試合を見て分析する。どちらも強いチームだしまずはきょうの試合の疲れを回復させて次の試合に備えたい」と話しました。

また、ヘーゲ・リーセ監督は「試合前にみんなで話し合い、その時にこういう機会があったら、人種差別への抗議を主張していくと話した。すごく大事な瞬間だった」と話しました。

また、チリ代表のキャプテンのクリスティアネ・エンドレル選手は「人種差別の問題は、世界中の問題で、私たちみんなが同じ考えだ。それが私たちのメッセージだ」と話しました。

東京スタジアムでも

また東京スタジアムで行われたスウェーデン代表とアメリカ代表の試合でも、午後5時半の開始直前に両チームの選手が片方のひざを地面につけました。

試合はスウェーデンが序盤から攻める展開が続き、前半25分にスティナ・ブラクステニウス選手がクロスボールを頭で合わせて先制ゴールを決めました。
スウェーデンは後半9分にもブラクステニウス選手がコーナーキックからのこぼれ球を押し込んでリードを広げたあとさらに1点を追加し、3対0でアメリカに勝ちました。

この試合2ゴールを上げて勝利に貢献したスウェーデンのスティナ・ブラクステニウス選手は「前半はいい戦いができたので自信になった。いいスタートが切れたのでこの調子で残りの2試合も戦っていきたい」と話していました。

また、試合前に片方のひざを地面につけたのは人種差別への抗議であったことを明らかにしたうえで「自分たちの信じることを表明することは大事だと思ってあの行為をした」と話しました。

宮城では“有観客”試合

宮城県の宮城スタジアムではサッカー女子の予選リーグが全ての競技を通じて初めて観客を入れて行われました。

今大会はほとんどの会場で観客を入れずに競技が行われる予定ですが、宮城県利府町の宮城スタジアムでは観客を入れてサッカーの試合が行われ、21日は女子の予選リーグ、中国とブラジルの試合が全ての競技を通じて初めて観客を入れて行われました。

観客の上限は1万人で、およそ5万人を収容できるスタジアムは空席も目立ちましたが、観客は新型コロナウイルスの感染対策としてマスクをつけたまま、声を出さずにそれぞれの国の国旗を振るなどして応援していました。そして、ゴールが決まるたびに、会場からは大きな拍手がわいていました。

試合はブラジルがマルタ選手の2ゴールなどで得点を重ね、5対0で勝ちました。

観戦した宮城県の30代の男性は「コロナもありますけど、オリンピックを生で見ることはもうないと思うので、すごくいい思い出になりました」と話していました。

またサッカーを習っているという小学2年生の男の子は「プロの選手はスピードやターンがすごくて、直接教えてもらいたくなりました。もっと上手くなってサッカー選手になりたいという気持ちが高まってきました」と話していました。